日本車ディーラーに他メーカーの日本車の持ち込みは問題ない
新車ディーラーの店舗にはたいていピット施設が併設され、クルマの修理や点検などを行っている。それでは、その店舗で取り扱っていない他メーカーのクルマをまったくのフリーとして持ち込むと果たして点検や整備、修理などは行ってもらえるのだろうか?
はじめに結論を述べると、日系ブランド系ディーラーでは、海外ブランドの輸入車に関しては点検や整備、修理は請けおわないが、日系ブランド車ならば、取り扱いしているかいないかに関係なく、受け入れてもらえるとのことである。
新車販売は長期間に渡って不振状況が続いている。販売台数が減るとともに売れ筋車種の排気量やボディサイズのダウンサイズが進んだことで、1台あたりの利益も減ってきており「新車販売だけではなかなか食っていけない」とするディーラーがほとんどとも聞く。
そのなかでディーラー収益の頼みの綱となっているのが、車検や法定点検、整備などのアフターメンテナンス部門である。しかしこの分野も、軽自動車やコンパクトカーなど経済性が重視されるクラスを中心に、車検などは格安車検業者やガソリンスタンドに客が流れ、”点検入庫率”のダウンに悩まされている。
他の業者へ流れるのを食い止めるために登場したのが”メンテナンスパック”などと呼ばれるもの。メーカーなどで呼称は異なるが、おもに新車購入時に初回車検までなど、一定期間内の定期点検やオイル交換などにかかる費用を前払いすることで割安になるというもの。前払いしてもらうことで、他業者へ流れずに囲い込みが可能となっている。
あれこれ点検入庫率アップに奔走する各ディーラーがここのところさらに、自社取り扱い車以外(つまり他メーカー車)の車検入庫に、より積極的になっている。
このあたりの事情について販売現場で聞いてみると、「弊社が今まで販売したお客様、つまり管理ユーザーとも呼んでいるお客様のなかで高齢になったことなどを理由にしてクルマを手放すケースが顕著となり、これによる入庫率ダウンが深刻化してきているので、今は飛び込みでの車検入庫などは大歓迎なのです」とのこと。
本格的な人口減少社会に突入する日本。そのなかでも高齢化はますます加速し、販売台数ではなく、保有台数自体の減少も拍車がかかるのではないかと言われている。そのなかで新車ディーラーの淘汰も進んでいくという予測だ。それゆえ、各新車ディーラーは生き残りのために必死となっている。他メーカー車の積極的なメンテナンス入庫に動く背景もそんな流れのなかのひとつの動きといえるだろう。