マツダ・ロードスターレースの世界一決定戦に日本人2名が挑んだ (1/2ページ)
優勝賞金7万5000ドル(約850万円!!)をかけた戦い!
北米仕様のMX-5カップカーを使い、世界統一車両、統一ルールで争われる「グローバルMX-5カップ」。昨年より北米でシリーズが始まり、今年から日本でもスタート。その初代王者となった山野哲也選手が、北米シリーズの歴代チャンピオンが集まる「グローバルMX-5カップチャレンジ」に参戦を果たした。
闘いの舞台となったのは、カリフォルニア州モントレーにある「マツダ・レースウェイ・ラグナ・セカ」。今年で60周年を迎える歴史あるサーキットで、マツダが2001年に命名権を獲得。”コークスクリュー”と呼ばれる急勾配の下りコーナーが名物となっている。
今回のレースは招待レースとなっており、参戦したのは山野選手のほか、北米の「グローバルMX-5カップ」の選手たちの一部、欧州での選考を勝ち抜いたオランダのバート・ウォーベン選手、さらにメディアチーム代表としてベストカーチームの大井貴之選手もエントリー。また今回は7万5000ドル(約850万円!)という高額な優勝賞金が設定されていることもあり、今シーズンのインディライツ(インディカーシリーズの下位カテゴリー)王者で、来季のインディカーシリーズ参戦も期待されるカイル・カイザー選手も参戦。
もちろん、今年のグローバルMX-5カップ北米シリーズ王者であるパトリック・ギャラガー選手、昨年のシリーズ王者で世界戦も制しているネイサン・スパークス選手もエントリーしており、オールスター戦らしい、かなりハイレベルなレースが繰り広げられた。
レースは金曜日に予選を行なったのち、土曜日の午前10時45分にレース1、午後5時にレース2を実施。2レースの総合で結果が決まる。ちなみに予選のファーストタイムがレース1、セカンドタイムがレース2のグリッドに反映されるというレギュレーションだ。
山野選手、大井選手の走りが期待された予選だったが、それぞれ予選16位、13位と苦戦(エントリー台数は19台)。エントリーしている選手のレベルが高いことはもちろんだが、じつは両選手のマシンは現地のチームからのレンタル。ラグナセカを走ることも初めてだったためイチからセッティングを行う必要があり、両選手とも最後までオーバーステアに苦しんでいた。もう少し時間があれば……もしくは自身のマシンで走れていれば……そんな風に考えずにはいられない、少し残念な結果となってしまった。
レース1は金曜の予選でトップ(賞金5000ドル!)を獲得したニック・リーガー選手がポールポジション。ローリングスタートから始まるレースは「マシンとマシンの前後左右の間隔が狭くて、場所取り合戦みたいな感じ」と山野選手が語っていたように、日本のMX-5カップと比べても明らかにアグレッシブだ。これは大井選手も予想以上だったようで、1周目で早くも順位を落としてしまう。また期待のカイル・カイザー選手も序盤でコースアウトを喫し、トップ争いから離脱してしまう。
レースは4周目で早くも動く。2015年にマツダのスカラシップを得て2016年のMX-5カップに参戦し、今年はIMSAプロトタイプチャレンジにステップアップを果たしているロビー・フォーリー選手が、1コーナーでリーガー選手のインを突きトップに。さらに最終コーナーでリーガー選手を制したパトリック・ギャラガー選手が2位に浮上する。レースはそのまま、トップ5台が1.5秒以内に接近した状態で進む。サイドバイサイドの激しい争いを展開しながら、2位のギャラガー選手が何度も仕掛けるが、フォーリー選手が懸命に抑える。
そんななか、8番手から徐々に追い上げ、いつのまにかトップ集団に加わっていたのがマット・クレッシ選手。マツダのスカラシップを得て2017年のMX-5カップに参戦し、シリーズ6位となった期待の若手ドライバーだ。レース終了まで残り2分半となったところで、ついにトップとの差を約2秒にまで縮め、さらに上位を伺う。
そしてレース終了まで残り1分半、コークスクリューの手前でギャラガー選手がフォーリー選手をパス! フォーリー選手はその弾みでスピンを喫してしまう。そのままファイナルラップに入り、2位にブライアン・オーティズ選手、マット・クレッシ選手と続くが、今度はコークスクリューの先でクレッシ選手がオーティズ選手をパス。ギャラガー選手、クレッシ選手、オーティズ選手の順でチェッカーを受けた。
しかしレースはこのままでは終わらなかった。トップでチェッカーを受けたギャラガー選手が、コース外からの追い越しで降格のペナルティを受け、優勝はクレッシ選手、2位ギャラガー選手、3位オーティズ選手という順位で確定となった。