実際に固着したクルマはほとんど見かけない
昔から言われるのが、長い間駐車しておくときは、サイドブレーキ(フット式のパーキングブレーキ含む)は引かない方がいいということ。
理由は通常のブレーキは油圧なのに対して、サイドブレーキはワイヤーで引っ張っているから、固着してしまうからだ。固着すれば、レバーを戻したとしてもブレーキ自体は解除されず、そのまま走ってしまうと引きずってしまうことも考えられる(走行の振動などで戻ればいいが)。
ただ、結構な数のサイドブレーキをいじった経験からすると、ワイヤーの固着は見たことがないし、現物を外してみてもほとんど起こりそうにない。ワイヤーの構造的に水が入らないようになっているし、フロアの下を通してあるので、そもそも水がほとんどかからない。また最新のクルマに採用されている電動式にはワイヤー自体がない。
実際に固着しているのを見たことがあるのは、30年以上経ったクルマで、しかも一度も交換されていなかったものぐらいだ。
長期間駐車するときにどうしても気になるなら下ろしておけばいい。その際はMTならシフトを入れておけばいいが、ATはミッション内部に負担がかかることもあるので、クルマ止めを使うといい。
長期の駐車の場合、注意したいのはサイドブレーキというよりもタイヤの変形。つまり、タイヤの一カ所だけに力がかかり続けることで、接地面だけへこんでしまうので。そうなると振動が出てしまうので、新品に交換するしかない。
また、もし万が一パーキングブレーキが固着してしまった場合、分解するのが確実だが、前進して、すぐにバック、という動きを繰り返すと外れることがあるので、応急的に試してみてもいいだろう。