【試乗】次なるBYDの一手は日本でも人気のクーペSUV! 「シーライオン7」は静粛性とコンフォート性がスゴイ!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

BYDの最新モデルとなるクロスオーバーの「シーライオン7」に試乗

■加速時のスムースなトルクピックアップで電動車特有の軽快な走りを楽しめる

■BYDのシーライオン7は高い完成度をもつ一方で官能的な走る喜びは少ない

BYD日本導入第4のモデルはクロスオーバーSUV

 BYDの最新クロスオーバーEV「シーライオン7」に試乗する機会を得た。このモデルは、同社の電動サルーン「シール」をベースに元アウディおよびランボルギーニのチーフデザイナーであるヴォルフガング・エッガー氏が率いるチームによってSUVスタイルに融合された先進的なモデルだ。デザイン、性能、快適性の各面の完成度を走らせながら探ってみよう。

 シーライオン7の外観は、クーペとSUVを流麗かつエレガントに融合したクロスオーバースタイルが特徴だ。全長4830mm、全幅1925mm、全高1620mmのボディサイズに2930mmのホイールベースが与えられている。

 広々とした室内空間は快適な居住空間と大容量で使い勝手のいいラゲッジを両立している。大きな開口部をもつ電動ハッチゲートを備え、荷室容量は後席使用時で500リットル、後席格納時には最大1789リットルを確保している。

 さらに、フロントフード下にも58リットルのフランク(フロントトランク)も設けられており、実用性も高い。4輪駆動のAWDと後輪駆動RWDが用意されているが、フランクは意外にも両モデルに共通していた。

インテリアと装備

 車内に足を踏み入れると、ナッパレザーを多用した高級感あふれるインテリアが迎えてくれる。ダッシュボード中央には、縦横に回転可能な15.6インチの大型タッチスクリーンが配置され、最新のインフォテインメントシステムを操作できる。画面は高精細で、エアコンなどのショートカットメニューも常時表示されており、使い勝手がいい。

 ただし、タッチスクリーンを縦長に回転配置したときは偏向レンズのサングラスを装着していると、まったく見えなくなってしまった。また、HUD(ヘッドアップディスプレイ)も偏向レンズに対応していない。

 シートはプレミアムキルティングナッパレザーで仕立てられ、快適な座り心地が提供されている。フロントシートは左右電動アジャスト機構を備え、シートヒーターやシートベンチレーションも標準装備する。後席はシートヒーターのみだが、シートバックがリクライニングするのはありがたい。

 シールなどセダンのEVで気になる後席足もとフロア面が高く、長時間の乗車ではやや疲れを感じた部分はSUVとなってルーフが高くなったこととヒップポジションが高く改善され、気にならなくなった。

パワートレインと性能

 シーライオン7は、4WDモデルではフロントに160kW、リヤに230kWの駆動モーターを搭載している。システム合計出力は390kWに達し、車両重量が2340kgであるにもかかわらず、力強い加速性能を発揮する。0-100km/h発進加速タイムは4.5秒とスーパースポーツに匹敵する。一方、RWDはリヤアクスルに230kWの駆動モーターのみだが、0-100km/h発進加速は6.7秒で実用上十分以上の性能が与えられている。

 駆動バッテリーには82.5kWhのリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、航続距離はAWDでWLT C値540km(RWDは590km)とされている。

 実際の走行では、加速時のトルクピックアップレスポンスは非常にスムースで、電動車特有の軽快な走りを楽しめる。高速道路の流入時も自在な速度コントロールで、流れに乗るのも早い。


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中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
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マツダCX-5 AWD
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海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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