おフランスでも昭和レトロはやっぱりウケる? ルノーが懐かしの商用バン「エスタフェ」をEVで復活!!

この記事をまとめると

ルノーがEVとして商用バンの「エスタフェ」を復活させるようだ

■元祖エスタフェは1959年にルノー初のFFパッケージとして発売された商用バン

■新エスタフェは丸形2灯ヘッドライトやずんぐりむっくりなスタイルなどの美点を継承している

27年間も現役だったルノーの商用バンが復活

 フォルクスワーゲンが昔のタイプ2、いわゆるワーゲンバスをEVのID.BUZZとして復活させたことに刺激を受けたのか、今度はルノーが1960年代の商用バン「エスタフェ」をEVとして復活させるようです。

 ともに、1960年代を駆け抜けた人気モデルではありますが、ルノーの取り組みは当時に倣ってあくまでビジネスカーを企図したもの。ID.BUZZのカリフォルニアライフ的な鷹揚さはなさそうです。が、どうみてもルノーは「狙っただろ」というキュートなルックスで仕立ててきました。2026年発売予定の新エスタフェをご紹介しましょう。

 元祖エスタフェは、1959年にルノー初のFFパッケージとして発売された商用バン。サイドにスライドドアを設け、フロントシートから後ろは広大なスペースが広がり、845cc(のちのモデルでは拡大されています)のガソリンエンジンと相まって、商用&一般ともに人気を博したもの。現行のコマーシャルワゴン、ルノー・トラフィックにその座を譲るまで、27年もの長きにわたって作りつづけられたのですから、その実力は折り紙つきといったところでしょう。

 そんなエスタフェのコンセプトを引き継いだEVは、ボルボ・グループが立ち上げた開発会社フレクシスと共同で進められることに。つまりは、電動パッケージは中国系が手っ取り早いと判断されたのかもしれません。

 もっとも、車体のデザインは見事なまでに元祖エスタフェのソックリさん。丸形2灯のヘッドライトや、ずんぐりむっくりなプロポーション、さらにはドライバーがアップライトな姿勢で乗れるコクピットなど、オリジンの美点をしっかり受け継いでいるのです。

 また、全長4.87mはわりと大型ですが、回転半径は小型車並になるとされており、実用性にも抜かりなさそう。実用性といえば、全高2.59mというハイルーフもドライバーが荷室を立って移動できるという配慮によるもの。商用バンとしては外せないポイントですが、このあたりID.BUZZとは大いに異なるキャラクターといえるでしょう。

 パワートレインは前述のとおり、ボルボ・グループの吉利あたりから供用されるはずですが、ルノーは同社初のSDV(ソフトウェア定義型車両)なる仕組みを取り入れる計画です。これは、あたかもスマートフォンのように車載OSをアップデートできるもので、用途や仕様に応じてさまざまなカスタムが可能だとか。たとえば、荷室に冷蔵庫をあと付けしたとしても、運転席のモニターで温度管理ができるようになるとか、なにかと便利そうな仕組みです。

 このソフトウェアは多岐にわたる制御を担っており、アップデートによって航続距離やセキュリティ、あるいはコネクティビティ(車両管理システムなど)を長期にわたって向上させてくれるとのこと。事業者にとってはうれしいポイントで、まさに「カワイイだけじゃない」というのが素晴らしい。

 前述のとおり、2026年には発売される模様ですが、ID.BUZZよりも廉価でリリースできれば、日本国内でも人気が出ること間違いないでしょう。業者やルノーファンでなくとも、今後のエスタフェからは目が離せそうにありません。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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