ウラカンをベースに「パンテーラ」を蘇らせた! レストアやレストモッドとは違うアレス・デザインの「レジェンド・リボーン・プロジェクト」とは? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■フェラーリ元副社長のダニー・バハールが設立したコンストラクターが「アレス・デザイン」だ

■デ・トマソ・パンテーラを彷彿とさせる「パンサー・プロジェクト・ウーノ」を発表した

■フェラーリ412やシボレー・コルベット・スティングレイなどの新たなレジェンド・リボーン・プロジェクトも発表されている

モデナに誕生した新たなコンストラクター

 スーパーカーの聖地ともいえるイタリアのモデナに、古代ギリシャ神話における戦いの神、アレスが用いたヘルメットをモチーフとしたエンブレムを掲げた新たなコーチビルダー、「アレス・デザイン」社が誕生したのは、2014年のことだった。

 それを設立したのはダニー・バハール。スポーツカーの世界に詳しい人ならば、その名前に聞き覚えのある人もきっと多いだろう。そう、かつてフェラーリの副社長を経験し、2009年にはロータスのCEOに就任。その意欲的なプロダクトラインアップの拡大計画は衝撃的なものだったが、対照的にそれらが現実のものとなる以前にロータスの赤字は増大。2012年には親会社の体制変更に伴ってCEOを解任される。

 そして彼はその後、再びモデナへと戻り、二度と雇われの身にはならないという強い決意のもと、アレス・デザイン社を設立したのだ。

 アレス・デザイン社の基本哲学は、「コンセプトから、より美しい姿を現実のものとする」ことにある。これまでにもベントレーのミュルザンヌをベースとした流麗な2ドアクーペや、ボディ素材をカーボンファイバー製とすることで200kgの軽量化を達成。同時に個性的なディテールをエクステリアデザインに採用したメルセデス・ベンツのG63、あるいはポルシェ911GT3RSをタルガトップ化するとともに、エンジンやサスペンションをさらに強化した、きわめて趣味性の強いモデルの製作も行った。

 そのようなアレス・デザインが次のステップに選んだのが、「レジェンド・リボーン」と呼ばれるサービスだった。これは伝統的なクラフトマンシップと、最先端のエンジニアリング、そして製造技術によって、往年の名車を再構築するプロジェクト。

 その第一作として製作されたのが、ここで紹介する1970年代のデ・トマソ・パンテーラの姿を彷彿させる、「パンサー・プロジェクト・ウーノ」だった。

 ベースとなったモデルはランボルギーニのウラカン。アレス・デザインが独自にスタイリングしたボディは、もちろん軽量なカーボンファイバー製で、そのため全長×全幅×全高で4668×1977×1185mmと、ウラカンのそれよりもやや大きなサイズに仕上がってはいるものの、車重はほぼ同等の1423kgに収まっている。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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