走行中に「羽根」がせり上がるとか男のロマン! 可変空力パーツを備えた代表的なクルマを挙げてみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■F1ではDRSと呼ばれる可変空力システムが採用されている

■市販車の世界では1980年ごろから可変スポイラーが登場し始めた

■出たり消えたりを繰り返しているが輸入車では採用例が多く効果も証明されている

可変式スポイラーは60年以上前から存在

 F1で2011年から採用されているドラッグリダクションシステム=DRS。

 ストレートではウイングを寝かして空気抵抗を減らしてトップスピードを伸ばし、ブレーキやコーナリング時はウイングを立てて、ダウンフォースを得るための、可変空力システムの代表だ。

 その歴史は古く、1960年代、アメリカのシャパラル・カーズが制作したレーシングカー「2C」には油圧式可動ウイング「フリッパー」が採用されていたし、1968年の日本GPを制した日産のR381にも可変ウイングの「エアロスタビライザー」がついていて、「怪鳥」の異名で呼ばれていた。

 このことからわかるように、可変空力パーツの有効性は半世紀以上も前から知られていたが、主として安全上の問題からレースでは長らく可変空力的付加物は禁止とされてきた。

 一方、市販車ではそうした縛りがなかったので、1980年代から実用化がはじまっている。

 その先鞭をつけたのは、1985年に搭乗した7代目スカイライン(R31)。R31は発売直前まで「スカイラインの父」と呼ばれる桜井眞一郎が開発主管。そして桜井眞一郎といえば、「怪鳥」R381の設計統括で、エアロスタビライザーの考案者でもある。

 そのR31にメーカーオプションで設定された「GTオートスポイラー」こそ、世界初の車速感応オートスポイラーで、70km/hになるとフロントスポイラーがせり出してきて、50km/h以下になると自動で収納されるものだった。

 続いて1989年には、ポルシェが911(964)に電動格納式リヤスポイラーを採用。80km/h以上で起き上がり、10km/hになると収納されるので、一般道でスポイラーが立っていたら制限速度違反確定。手動で出しっぱなしにもできたが、徐行、停止したとき、スルスルとスポイラーが下がっていくようならアウト(⁉)。

 このポルシェの電動スポイラーは、ダウンフォース=空力的効果と、エンジンルームの熱気を抜く、クーリング的な効果もあった。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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