この記事をまとめると
■自動車登録番号の最初の数字が小型乗用車だと「5」になって普通乗用車だと「3」になる
■消費税が導入された1989年まで3ナンバー車と5ナンバー車では税額が違っていた
■いまでも一部の駐車場では3ナンバー車の専用料金が設定されているところも存在する
3ナンバーと5ナンバーの違いとは
小型乗用車は、自動車登録番号の最初の数字が「5」、普通乗用車は「3」になる。以前は5ナンバー車と3ナンバー車では税額が異なり、区分する必要があった。
過去を振り返ると、1955年の時点で、5ナンバー車のボディサイズは全長が4300mm以下、全幅は1680mm以下、全高は2000mm以下で、エンジン排気量は1500cc以下とされていた。
そのために、1955年に発売された初代トヨタクラウンは、全長が4285mm、全幅は1680mm、エンジン排気量は1453ccとすることで、5ナンバーサイズに収めていた。
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この後、1958年には5ナンバー車のボディサイズが全長は4700mm以下、全幅は1700mm以下に拡大され、1960年にはエンジン排気量の枠も2000cc以下となった。この時点で、いまに通じる5ナンバーの規格が確立された。
そして前述のとおり、消費税が導入された1989年まで、3ナンバー車と5ナンバー車では税額が違っていた。
まず消費税の導入前には、一時期の軽商用車などに例外はあったものの、基本的に車両には物品税が課せられていた。物品税は卸売価格に課税する税金で、車両価格に含まれた。
トヨタ・クレスタ(2代目)の走行写真画像はこちら
そして廃止される直前の物品税率は、普通乗用車が23%、小型乗用車は18.5%、軽乗用車は15.5%であった。普通乗用車は贅沢品として物品税率が高く、価格も小型乗用車や軽乗用車に比べて割高になった。したがって、1989年に物品税が廃止されると、3ナンバー車は大幅に値下げされた。消費税を加えた実質価格でも安くなる車種もあった。
普通乗用車と小型乗用車では、自動車税も異なっていた。自家用の場合、エンジン排気量が1501ccから2000ccまでの小型車は年額3万9500円だったが、2001〜3000ccの3ナンバー車は、1988年の時点で年額8万1500円に高騰した。3001〜6000ccは8万8500円、6001cc以上は14万8500円に高まっていた。
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ちなみにいまは、2001〜2500ccは年額4万3500円、2501〜3000ccは5万円だ。3001〜3500ccは5万7000円、6001cc以上は11万円になる。1988年の物価はいまよりも安かったが、3ナンバー車の税額は高かった。
いまは物品税の廃止もあり、3ナンバー車と5ナンバー車の税制面における不利は撤廃された。フェリー料金も、いまは全長による区分が増えて、もはや3/5ナンバー車の違いはなくていいという意見もある。
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それでも一部の駐車場は、いまでも3ナンバー車の専用料金が設定されている。また、世間一般やユーザーの側に、3ナンバー車と5ナンバー車に対する認識の違いが残っている。5ナンバー車は、堅実なクルマ選びの証にもなっていて、3/5ナンバー車を区分する意味がなくなったわけではない。