この記事をまとめると
■アメリカには日本では考えられないようなクルマに関する常識が存在している
■日本では馴染みのなかった「ドライブインシアター」や「カープールレーン」は衝撃だった
■犯罪も多いアメリカではクルマのセキュリティにも各個人が人一倍気にかけている
「クルマ社会」だからこそのユニークな常識が存在するアメリカ
いまでは中国に生産台数・販売台数の両方で世界トップの座を明け渡してしまった、アメリカ。それでも、アメリカが自動車大国であることに代わりはない。アメリカで生活する場合、そこはまさに「クルマ社会」なのだから。
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そんなアメリカでは、「なにこれ?」「いったい、なにを考えているんだ?」といった、日本の常識の枠を超えるような物やコトがある。
時計の針を少し戻すと、1970年代前半にハワイに行った際、「ドライブインシアター」を見て腰を抜かした。日本ではやっと、白黒テレビからカラーテレビに代わっていこうというタイミングで、クルマのなかから映画を観るという「日本での非常識」に驚いたのだ。
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その10数年後にはカリフォルニア州で生活を始めたが、最初に驚いたのは、自動車免許の取得の簡易さだ。日本では数十万円を支払って教習所で1カ月近く通ったことと比べると、非常識に感じた。
「カープールレーン」の存在にも驚いた。州や地域によって、その呼び方や法律の内容は異なるが、フリーウェイの1車線が複数人数乗車の場合のみに走行可能になるシステムだ。地域によって2名以上、または3名以上で走行が可能だ。
フリーウェイの「カープールレーン」を走行しているシボレー・ボルト画像はこちら
これは、渋滞緩和策なのだが、要するにアメリカではひとり乗車がとても多いということだ。クルマは日常の足という、クルマ社会なのだ。
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このカープールレーンに対応した、非常識なグッズがあった。大手航空会社の機内誌の通販ページに、帽子を深くかぶり、サングラスをした30〜40代くらいの男性の人形が掲載されていた。確か価格は200〜300ドルほどだったか。サイズは一般的なアメリカ人の体格であり、それを助手席に置くことで、カープールレーンでの違反取締を逃れようというシロモノだ。
また、セキュリティ面もアメリカは進んでいる。たとえばガソリンスタンドで助手席にアメリカ人女性を残した状態で、ドアを開けたままで料金の支払いやジュースなどを買いに行こうと思ったら「いったい何を考えているの!」と女性から強く怒られた。カージャックにあったらどうするんだ、という意味である。
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むろん、セキュリティに対する感覚は人によって差があるとはいえ、こうした公の場でのカージャック対策について、アメリカ人は日本人より敏感なのは間違いない。
日本では、とくに地方部でエンジンをかけたまま、ドアロックを開けたままの状態でコンビニ店内に買い物に行くことが社会問題化しているが、アメリカでは非常識なことだと受け取られるだろう。
無施錠のクルマのドアを開けている様子画像はこちら
まだまだ、クルマに関する日米での常識・非常識にまつわる話があるが、別の機会にご紹介したい。