この記事をまとめると
■現在販売されているダイハツ・タフトの初代モデルは1974〜84年にかけて販売されていた
■初代は本格的なクロスカントリー4WDモデルの普通車として登場した
■トヨタにもOEM供給していたが1984年に後継モデルのラガーが登場して終売した
初代モデルは本格クロスカントリー4WDとして登場していた
軽のクロスオーバーSUVモデルとして現在販売中のタフトは、快適な乗り心地を実現する乗用車系プラットフォームを使用しながらも大径タイヤで走破性を高めた上に、全グレードにスカイフィールトップと名付けられた解放感満点のガラスルーフを標準装備したことで人気となっているモデルだ。
ダイハツ・タフト(2代目)のフロントスタイリング画像はこちら
そんなタフトだが、じつは2020年から販売されている現行型の軽自動車は2代目モデルであり、1974年から1984年にかけて販売されていた初代モデルが存在していたのである。
この初代タフトは軽自動車ではなく普通車となっており、本格的なクロスカントリー4WDモデルとなっていた。当時は軽自動車にジムニーが、普通車としてはランドクルーザーやパトロール、ジープといったモデルが本格的クロスカントリーモデルとして存在していたが、その間を埋める小型なボディサイズをもつモデルは存在していなかった。
ダイハツ・タフト(初代、幌タイプ)のフロントスタイリング画像はこちら
そこでタフトは1リッターのガソリンエンジンを搭載し、全長3320mm×全幅1460mmと現代の軽自動車よりもコンパクトなボディを纏ってその隙間にもぐりこんだのである。
そんなタフトは小さなボディサイズではあったものの、ルックスはミニランクルといえるような無骨でワイルドなものとなっており、メタルドア仕様のほかレジントップや幌タイプも用意されていた。
ダイハツ・タフト(初代)のフロントまわり画像はこちら
メカニズムはラダーフレームのシャシーにリジット式のリーフスプリングを前後に備え、副変速機付きのトランスファーを用いたパートタイム4WDなっており、堅牢なクロスカントリー4WDとして一般的なものに仕上がっていた。コンパクトながら本格的な走破性をもち合わせていたのも特徴だ。
1976年9月にはトヨタ製の1.6リッターエンジンを搭載した「タフト・グラン」が追加され、1978年9月には1リッターガソリンエンジン仕様が廃止され、代わりに2.5リッターのディーゼルエンジンが搭載されている。
そして、1980年4月にはトヨタへ「ブリザード」としてOEM供給がスタート。OEMモデルでありながら、1.6リッターガソリンエンジンやダイハツ製の2.5リッターディーゼルエンジンは搭載せず、トヨタ製2.2リッターディーゼルエンジンを搭載していたのが大きな違いとなっていた。
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タフトとしては1981年10月にガソリンモデルを廃止。1982年11月にディーゼルエンジンを2.5リッターから2.8リッターへ置き換えといった変更を実施し、1984年4月に実質的な後継車種のラガーにバトンタッチをして終売となったのだった。