前と後ろで違うのはなぜ? 乗車人数で変える必要があるクルマも! タイヤの「指定空気圧」の謎 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマのタイヤ空気圧指定値は重量や燃費要件によって値が決まる

■同じ車種でも乗員や積載量によって指定値が変化する

■メーカーの指定値を守るのが基本だが状況に応じて安全な範囲で調整しても問題ない

タイヤの空気圧指定値はボディタイプやグレードで異なる

 愛車のメンテナンスにおいて、欠かせないメニューといえるものに「タイヤ空気圧調整」がある。タイヤというのは空気圧によって車体を支えているという面もあり、空気圧が足りないとタイヤが潰れた状態になってしまう。当然ながら、規定の空気圧になっていないと走行面でさまざまなネガが現れる。最低でも月に一度、できれば週にいっぺんは空気圧を確認して、調整したい。

 では、規定の空気圧はどうやって知ればいいのだろうか。車両の説明書などにも明記されているが、たいていのクルマでは運転席のドアを開けたボディ側か、フューエルリッドの裏にタイヤ空気圧を記したステッカーが貼ってある。そこに書かれた数値に合わせて調整すればいい。

 とはいえ、このステッカーには複数の数値が書かれていることがある。

 たとえば、三菱の軽SUV「デリカミニ」の場合、FF車は240kPa、4WD車は250kPaと異なる指定値になっている。なぜ、このようなことが起こるのだろうか?

 例にあげたデリカミニの場合、FFと4WDではタイヤサイズが微妙に異なる。FFの上級グレードは165/55R15となっているが、4WDは全車165/60R15と偏平率の違うタイヤを履いている。さらに、車両重量も4WDのほうが重くなっているため、空気圧を高めた設定にしているといえる。

 そのほか、空気圧を高めるほどタイヤの転がり抵抗を減らせる傾向になる。そのため、燃費性能を重視したグレードや、逆に燃費に不利なパワートレインを積んでいるグレードについて、標準的なグレードより高めの空気圧を指定していることもある。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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