この記事をまとめると
■初代は軽自動車初のツインカムターボを搭載して1987年に登場
■軽自動車ベースのホットハッチとして長きにわたって支持を獲得した
■現行モデルは用意されず中古価格は高騰を見せている
ホットな軽スポーツモデルの代名詞
実用的な軽自動車であるアルトをベースにターボエンジンを搭載し、ピリ辛なホットハッチへと昇華させたアルトワークス。残念ながら現行型となる9代目モデルには設定されていないが、過去のモデルたちはどれも高い人気を誇っている。今回はそんな歴代アルトワークスを振り返ってみたい。
初代
1987年2月に登場した初代アルトワークスは、2代目アルトをベースに生まれたもの。先だってツインカムエンジンを搭載した「ツインカム12RS」やターボエンジンを搭載した「ターボ」といったモデルはリリースされていたが、アルトワークスは軽自動車としては史上初となる“ツインカムターボエンジン”を搭載していた。
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このツインカムターボエンジンは550ccの排気量ながら、70馬力を超える出力の発生を見込んでいたが、当時の運輸省から物いいが入り、現在まで続く軽自動車の自主規制値である64馬力となったといわれている。
この溢れるパワーを確実に路面に伝えるために、最上級グレードのRS/Rにはビスカスカップリング方式のフルタイム4WDも搭載されており、その後長らく続くアルトワークス=4WDターボというイメージの発端となった。
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2代目
1988年に3代目へとフルモデルチェンジを果たしたアルトとともに新型となったアルトワークスは、丸形2灯の専用フロントマスクが与えられ、より精悍さが増した一方で、ライトユーザー層にもアピールするべくAT車や、SOHCターボ仕様も新たにラインアップされた。
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そして、1990年には軽自動車規格が改められ、ボディサイズの拡大と排気量の660cc化に対応した新規格アルトワークスが登場。660ccのエンジンは、ボアはそのままにストロークを拡大することで排気量アップを果たしていたため、ロングストローク化となり、よりトルクフルなモデルとなっている。
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なお、初代から“軽ボンバン”として名を馳せたアルト/アルトワークスだったが、物品税の廃止などもあって商用モデルであるメリットが薄れたため、660ccモデルからワークスは乗用モデルとなった(モータースポーツベース車を除く)。
3代目
3代目となるアルトワークスは1994年11月に登場。もっともホットなモデルである「RS/Z」グレードには、軽自動車初のオールアルミ製DOHCターボエンジンであるK6A型が搭載され、ECUも16ビットのSHIC(スズキ・ハイパフォーマンス・インテリジェント・コントロール)を採用したことで、最大トルクは当時の軽自動車最大となる103Nmを誇っていた。
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さらに新設計のターボチャージャーや大型インタークーラー、水冷式オイルクーラーを採用し、四輪ディスクブレーキも搭載。従来モデルよりも11kgの軽量化も相まって、軽自動車最強の名を欲しいままにしたのだ。
![3代目アルトワークスのリヤスタイリング](https://cdn-webcartop.com/wp-content/uploads/2025/02/250207_alto_works_16.jpg)