この記事をまとめると
■降雪時、クルマは立ち往生に巻き込まれることがある
■EVの場合は暖房を使用し続けると電欠してしまう可能性もある
■注目されているのが電動オフロードバイクだ
雪上防災バイクの機能に注目!
気候変動による暖冬が続いているが、暖冬だからこそ日本海側の降雪地帯には大雪が降る。高速道路や国道などが積雪により通行止めとなることも珍しくなくなってきている。
降雪時に高速道路を走る場合、スタッドレスタイヤに履き替えたりタイヤチェーンなどをしっかり準備して利用するだろうが、スタッドレスタイヤでは登りきれないクルマが前で立ち往生してしまうと、いくら準備していても巻き込まれる可能性もある。
そんな場合、EVでは暖房のためにバッテリーを消費してしまうと、電欠の危険性も出てくる。トラックは燃料タンクが大きいから何日かアイドリングしても十分にもち堪えられるだろうが、暖房だけで耐え続けられるものではない。
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もし立ち往生する羽目になったら、水や食料などもなければ辛すぎる思いをすることになる。NEXCO東日本など、降雪地帯の高速道路会社などはこうした状況に対し、立ち往生を解消するための策を色々と考え導入している。しかし、立ち往生した車両群の後方から先頭まで救援物資などを届けるのは大変だ。路肩も雪が多ければクロカン4WDでも立ち往生しかねない。
そこで、NEXCO中日本オートサービスでは、より機動性の高い乗り物が確保することにしたのだ。それは電動バイク。MTBを電動化したタイプよりもひとまわりゴツい印象のしっかりとした電動オフロードバイクだ。
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オフロードバイクが立ち往生した現場に駆けつけても、大して役に立たないのでは?
そう思われる方も多いかもしれない。しかし、これには秘密兵器がある。それが後輪をクローラーに変更するアタッチメントと搬送用の牽引ソリだ。フロントタイヤもスキーホイールに交換することで、雪上走行はより安定したものとなる。フロントのスキーで舗装路を走るときには、ホイールキットを取り付ければスキーを傷めることなく走行が可能だ。これでソリに救援物資を積み込んで、立ち往生したクルマの間を縫って前の方まで届けるのである。
雪上防災バイクと名付けられたこの電動バイク、ベースになっているのは中国製の電動バイクでサーロンLight Bee L1e-Cというものなのだが、かなり作りはしっかりとしている印象だ。このバイクだけでも国内販売されており、価格は約60万円とのこと。このバイク、Light Bee L1e-Cは原付二種で公道走行も可能。これでオフロード走行を楽しんでいるフリークも日本には増殖中なのだ。
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クローラー部分はカナダ製で、さすが雪が多い地域だけにゴツい作りとなっている。そのほか、航続距離を伸ばすためのスペアのバッテリーを搭載できるマウントなど、救援のための装備は充実している。
大雪による立ち往生の際に、このバイクが後方から向かってきたら、なんと頼もしく見えるだろうか。活躍する場面が起こってほしくない一方、新しい画期的なモビリティの登場になんとも頼もしい気もちがするではないか。