この記事をまとめると
■中古車情報サイトで安い順に検索すると北海道のクルマが多い
■他地域よりも地価の安い北海道ではクルマに乗せる利益を抑えることができる
■北海道の中古車は塩害を受けている車両も多くそのような車両は安い値付にせざるを得ない
北海道に激安中古車が多い理由
同じ車種、グレード、年式、走行距離であっても、それまでのユーザーの使い方やメンテナンスの内容などによって、同じ状態のものはふたつとないといわれる中古車。それだけに似たような条件であっても価格に差が生じるのは当たり前ともいえる。
そんな中古車だが、狙っている車種は少しでも安く買いたいというのが人情で、中古車情報サイトなどで「安い順」でチェックしてみた経験のある人は少なくないハズ。
そんなとき、よくよく見てみると、安い順で出てくる車両の多くが北海道にある店舗の在庫車であることに気付いた人はいるだろうか? 果たして、なぜ安い中古車の多くが北海道に集中しているのだろうか。
もちろんその理由はさまざまあるが、理由のひとつとして挙げられるのが、北海道は広大な土地をもつ地域であるということで、都市部や観光地から離れた郊外であれば、比較的安価な価格で中古車店に向いている広めの土地を確保できるという点だ。
当然ながら中古車販売も商売であるから、土地代や人件費などの目に見えない費用の額も鑑みて値付けをしなければならないので、土地代が安ければそれだけ車両に利益を乗せなくてもよく、魅力的な値付けをすることができるというワケだ。
逆に関東地方でも東京などの都心部では狭い土地でも北海道の比ではないほど高額な費用が発生してしまうので、都心にある中古車店の多くが利益率の高い高級車などをメインにしており、手ごろな価格の中古車をメインとする店舗は都心から離れた郊外に集中しているのだ。
そしてもうひとつの理由が、豪雪地帯の北海道では冬季に凍結防止剤や融雪剤と呼ばれる塩化ナトリウムや塩化カルシウムなど、塩化物が主成分のものが道路に撒かれるため、塩害と呼ばれるサビや腐食が発生しやすいという点も挙げられる。
冬季に乗られることが少ないスポーツカーや旧車などの趣味性の高い車両は、冬の間は車庫で保管されているケースも珍しくないが、実用車においては冬季でもお構いなしに使われるため、パッと見はキレイなものの、下まわりを見るとサビだらけという車両も少なくないのだ。
そういった車両は当然ながら中古車としては価値が下がってしまうため、残念ながら安めの価格を付けざるを得ないというワケで、北海道の中古車店では「内地仕入れ」という謳い文句があり、北海道ではなく本州を走っていた車両を仕入れたというのがアピールポイントになるほどなのである。