この記事をまとめると
■パワーアップの第一歩としてエアクリーナーとマフラーの交換が定番だ
■最新のクルマではパーツの交換でコンピュータがエラーを吐く場合がある
■お金をかけて遅くなるケースもあるので専門店への相談がオススメだ
お金をかけたのにデチューンになる可能性あり!
エンジンチューニングの3大要素は、吸入空気量の増大、燃焼圧力の増大、フリクションロスの低減、といわれている。
パワーアップの第一歩は、エアクリーナーとマフラーの交換が定番だが、このふたつは吸排気系の抵抗を低減することで吸入空気量を増やすことを目的としている。
とくに空気は圧力が高いところから低いところに流れるので、エキゾーストの抵抗が減って、排気ガスがスムースに流れることは、吸入空気量増大に直結するので、スポーツマフラーへの交換は、チューニング効果が高いメニューとされてきた。
ところが最新のクルマは、コンピュータやセンサー類が賢くなりすぎて、主なパーツをひとつでも交換するとセンサーが反応して、コンピュータがセーブモードになり、かえってパワーダウンするケースが報告されている。
実際、トヨタのGRヤリスの後期型などは、まだコンピュータの解析ができていないので、エアクリーナーやマフラーを変えただけでも、パワーが出ないどころか、ABSやそのほかの制御にも悪影響が出る可能性があるという報告も。
そのほかのクルマでも、よかれと思って、エアクリーナーを吸入抵抗の少ないむき出しタイプにすると、抵抗は減ってもエンジンルーム内の熱い空気を吸って、吸気温度が上がり、パワーダウンしてしまったり、センターパイプの太いマフラーを付けたら、排気ガスの抜けがよすぎて、トルクダウンしたといった例も珍しくない。
こうしたクルマは、車種にもよるが、スポーツ触媒とマフラー、クリーナー(+インタークーラー)などを一気に交換したうえで、同時にコンピュータをリセッティングしたとき、大きなリターンが得られることがあるので、まずは専門店にアドバイスを仰ぎ、どの順番でどこまでセットでチューニングすれば効率がいいのかを、よく確認してから取り組むのがベストだろう。
またマフラーメーカーのホームページなどには、ノーマルと交換後のパワーグラフの比較や、動画で音量や音質の違いも確認できるコーナーがあるので、こうしたデータをきちんとチェックしたうえで、チューニングパーツをセレクトするようにしていこう。
実績やデータを確認せずに、イメージだけでチューニングパーツをセレクトすると、性能アップどころかデチューンになる可能性すらあるので、気を付けよう。