この記事をまとめると
■ケーニッヒは1980年代のスペシャリティカーの代表的存在
■テスタロッサをベースにしたケーニッヒ・コンペティションのシルエットはF40に近い
■初期型ケーニッヒ・コンペティションは12気筒ツインターボ+スーパーチャージャーで1000馬力
かつて一世を風靡したしたケーニッヒのテスタロッサ
1980年代のスペシャリティカーは現代でも通用しそうなモデルに事欠かない。とりわけ、ドイツのケーニッヒはフェラーリやメルセデスベンツをベースとした過激なモデルが数多く生まれ、独特な世界観を生み出したといえよう。
そんなケーニッヒを代表するモデルが、LIBERTY WALKが出品した「ケーニッヒ・コンペティション」だ。フェラーリ・テスタロッサをベースとしながら、そのシルエットはもはやF40に程近く、チューンアップは軽く1000馬力をオーバーしている。
そもそもは、創設者のヴィリー・ケーニッヒが自身の愛車、フェラーリ・テスタロッサのパフォーマンスに飽きたらず、加えてF40を凌駕するマシンを作りたいという願いから生まれたもの。
オートサロンに展示されているのは初期モデルと思われ、5リッター12気筒エンジンをツインターボ化し、さらにスーパーチャージャーを追加するという当時としても過激極まるカスタムが施されている。その結果、ケーニッヒ・コンペティションはカタログに1000馬力、100kg-m、最高速は370km/h以上というデータが記載されたのである。
イタリアンレッドの車体を眺めてみると、コンディションのよさに気づく。フロントグリルからサイドポンツーン、そしてリヤウイングと一体化されたリヤフードまで、精度は非常に高く、歪みのようなものは一切見当たらない。
たとえ、オリジナルコンディションでなく、メンテナンスなされたものだとしても、仕上がりは見事としかいいようがない。ケーニッヒのオリジナル3Pホイールも美しさを保っているため、オートサロンの会場で眺める限り、とても30年以上前のクルマには見えないだろう。
なお、後期モデルになると複雑すぎるという理由からスーパーチャージャーがオミットされ、ツインターボのみで1000馬力を発揮するセットアップに変更されている。つまり、過激さという意味ではこの初期モデルの希少価値は計り知れないということ。
こうしたレアモデルを間近で眺められるというのは、オートサロンならではの醍醐味に違いない。