A110七変化ならぬ三変化! 3台のアルピーヌが魅せるフレンチカスタムの奥深さ【東京オートサロン2025】

この記事をまとめると

■東京オートサロン2025にアルピーヌが単独ブースで初参加

■2台のアルピーヌA110Rと1台のA110GTを展示

■本気の走り仕様からドレス仕様まで対応するA110シリーズの懐の深さをアピール

「R」と「GT」のまったく性格の異なるふたつのA110

 昨年までルノー・スポールとの2ブランド共通の展示だったが、今年からついに単独ブースとなったアルピーヌ。まずは全日本ジムカーナで20数年、ほとんど無敵のチャンピオンにしてGTドライバーでもある山野哲也選手が、ここ2シーズンのタイトルを決めたA110Rに注目してみよう。

 A110Rといえば登場当初、フランスはデュケーヌ社のカーボンホイールを装着して話題になった1台だが、やはりモータースポーツの現場では信頼性と実績。日本のレーシング・シーンではお馴染み、レイズの名機「CE28」マットゴールドをさらりと履きこなす。本国のカップカーやGT4、ラリー仕様のR-GT辺りでは、12本スポークのエボコルセ・サンレモにミシュランの組み合わせが多いが、こうして見ると10本スポークもまずまずで、やはり日本ではポテンザでツライチの風情がよく似合う。

 スペース仕切りの向こうにまわると今度は市販バージョン、A110Rチュリニが置かれている。これはカタログモデルとなったA110Rにアルミホイールを採用した仕様だが、よく見ると足もとに見慣れない、ダークグラファイトの枝スポークものが嵌っている。じつはこちら、年明けに発表されたばりの新しい鍛造ホイールで、「O.Z.エストレーマ・フォルジアータA110」というモデルだ。

 その名のとおり、O.Z.レーシングがアルピーヌA110のために専用開発&設計した訳だが、元ネタがある。O.Z.レーシングは2022年以来、WECでアルピーヌ・エンデュランスチームのハイパーカーにホイールを供給しており、サイズや要件こそ違えど同じスポーク・デザインをもつ鍛造モデルという訳だ。

 これまでもA110にはフックス製の5本スポークの鍛造ホイールが標準またはオプションで用意されていたので、ふたつ目の純正鍛造ホイールとなる。バネ下の軽量化をことさら重視するフレンチ・ライトウェイトスポーツの雄として、正常進化といえる内容だ。

 とはいえ生産自体が2026年までとウワサされるA110は、シートリクライニングやシートヒーターなど快適装備を充実させた、同GTというツーリングモデルも存在し、実際に売れ筋のトリムでもある。

 その秘密は「アトリエ・アルピーヌ」というオーダーシステムで、ブリリアントブラックのアルミホイールにイエローのキャリパーといった、クセ強め仕様を仕上げられることも要因といえる。

 本気の走り仕様からドレス仕様まで、西ホール2で繰り広げられるフレンチ・カスタマイズの世界は案外、奥が深そうだ。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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