人の流れを考えれば「後ろから乗って前で降りる」のが効率的なハズ! それでもイマドキの路線バスが「中扉」を採用する納得の理由 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■多くの人を乗せて街なかを走る路線バス

■近年ほとんどの車両が中央に扉を設けている

■これは低床バスの構造によるものだ

なぜ路線バスの扉は中央にあるのか?

 公共交通機関として各地で活躍する路線バス。誰もがお世話になることがある、たいへん身近な乗り物といえよう。そもそも「バス」は、乗合馬車を意味する「オムニバス」を語源としており、多くの人が利用することが前提になっている。一般には、「大量の人員を輸送することを目的とした乗合自動車」と定義されているのだ。

 このように、バスには多くの乗客が乗降するという特徴があるため、効率よく人の流れを作る必要がある。ただ、運送事業には供されない自家用バスや貸切バス、長距離バスなどの場合は、その頻度が高くないことや乗降のための停車時間を長くとれるために、出入り口は概ね左側前方に1カ所設置する構造になっている。

 これと異なり、路線バスは比較的短距離の定められたルートを運行し、停留所ごとに相応の乗降客が発生するという特徴がある。そのため、乗車と降車で扉を別に設けてスムースな乗降ができるように工夫されている。

 よって、扉の位置は左側前方と、左側中央あるいは後方に設けられているのだが、近年登場しているほとんどの車両は中央に扉を配しているのだ。乗客の流れを考えれば、前方と後方のほうがスムースだと思われるが、これには納得の理由があった。


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