この記事をまとめると
■前のクルマに続いて交差点内に入ったとき違反となる場合がある
■交差点内で停まって交差方向のクルマの通行を妨げると交通違反となる
■交差点の手前では後続車との距離を確認しながら交差点内の状況を見極める必要がある
何も考えずに前のクルマについていってはいけない
前のクルマに続いて交差点に進入したら、交差点内で停まってしまったことがある方もいるのではないでしょうか。前方の交通状況が混雑しているのに交差点内に進入し、交差点内で停まってしまった場合は交通違反となります。では、先の状況がわからない状態で前車に続いて交差点に進入し、交差点内で停まってしまったらどのような違反になるのでしょうか。今回は、交差点内での停止について解説します。
そもそも前のクルマに続いて交差点に入ってもいいの?
そもそも、前のクルマに続いて交差点内に進入するのは問題ないのでしょうか。その答えは、「問題がない場合」と「問題がある場合」の両方です。
たとえば、交差点の先に自車が入れるスペースがある場合は、前のクルマに続いて交差点内に進入しても問題ありません。
しかし、交差点の先の状況が混雑していて、自車が入れるスペースがない場合は、交差点に入る前に速度を落としたり交差点に入る前に一時停止したりして、先の状況を確認し、明らかに自車が入れるスペースがあることを確かめてから交差点内に進入する必要があります。
道路交通法などをわかりやすく解説している「交通の方法に関する教則」には、交差点の通行方法について次のように記載されています。
【交差点の通行方法(一部抜粋)】
「前方の交通が混雑しているため交差点内で止まってしまい交差方向の車の通行を妨げるおそれがあるときは、信号が青でも交差点に入ってはいけません」
このようなことからも、交差点の先の状況によって、前のクルマに続いて交差点に進入してよいかどうかが異なります。
(「交通の方法に関する教則」より一部抜粋)
交差点内で止まるとどんな違反になる?
前のクルマに続いて交差点に進入し、交差点内で停まってしまった場合、どのような違反になるのでしょうか。
前のクルマに続いて交差点に進入したときに信号がすでに赤に変わっていた場合、「信号無視(違反点数2点、反則金9000円※普通車の場合)」となります。
また、交差点内で止まる可能性があるのにもかかわらず「たぶん大丈夫だろう」と思い、前のクルマに続いて交差点に進入し、交差点内で停止してしまった場合は「交差点等進入禁止違反(違反点数1点、反則金6000円※普通車の場合)」です。
前のクルマに続いて交差点に入るときに、「前が見えなかった」といういいぶんは通用しません。自分自身で前方の状況や信号を確認してから交差点に進入しなければ、交通違反となります。
交差点内で停止しないよう先の状況を確認する
前のクルマに続いて交差点に進入したり、交差点内で停止する可能性があるのに交差点に進入したりするのは、交通違反となるだけでなく、交差する道路の通行の妨げになります。そのため、交差点内で停まらないよう注意しなければなりません。
交差点内で停止しないためにも、前方の交通状況がわからないときや、交差点の先に自車が入れるスペースがあるか明らかでない場合は、交差点に入る前に速度を落としたり一時停止したりする必要があります。
ただ、実際の交通社会では後続車が迫って来ているために、速度を落としたり、一時停止したりするのを躊躇ってしまうことがあります。
このような状況にならないようにするためにも、交差点に近づいたときは、ミラー等を使って後続車との距離をあらかじめ確認しておきましょう。
また、先の状況が混雑していて、減速したり停止したりする可能性があるときに、後続車が速度を落とさず近づいてきたときは、ブレーキを軽くかけてブレーキランプを点灯させ、速度を落とすサインを出し、追突されないようにしましょう。