【試乗】雰囲気重視でガマンを強いられるイタフラ車は終わった! 新型ドブロは装備も走りも快適そのものな超オシャレファミリーカーだった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■フィアットのMPVであるドブロがマイナーチェンジを実施した

■エクステリアをモダンに一新して先進安全運転支援機能が大幅に進化した

■マイナーチェンジしたフィアット・ドブロに試乗した

フィアットのMPV「ドブロ」がマイナーチェンジ

 フィアット・ドブロは同グループ、ステランティスのプジョー・リフター、シトロエン・ベルランゴと基本部分を共用する商用車派生のスライドドアを備えた”道具感”ある大空間ワゴン、3列シートミニバン(MAXI)だ。2列シートのドプロのボディサイズは全長4405×全幅1850×全高1825mm、ホイールベース2785mm。

 つまり、国産車では見当たらないワイド&トールなマルチパーパスカーということになる(国産車でいえばフリード・クロスターやシエンタの2列/3列シートの大型版。後席格納時の最大荷室容量は2126リットル!!)。

 パワーユニットは1.5リッター直4ディーゼルターボ、130馬力、300Nmのスペックのもち主で、アイシン製8速ATが組み合わされる。駆動方式はFFのみ。2列シートモデルの車重は1560kg。WLTCモードの燃費は18.1km/Lとなかなかの数値を示す。

 そんなドブロが日本に上陸したのは2023年11月。それから約1年後の2024年12月5日にマイナーチェンジが施されたので、さっそく新型ドブロに試乗してみた。

 ドブロは商用車派生とはいうものの、立派に乗用マルチパーパスカーとして成り立っている。16インチアルミホイールを履き、電子パーキングブレーキやヒルスタートアシストなどを備え、シフターも先進的なスイッチ式だ。国産車からいきなり乗り換えても、違和感などないに等しい(リフター、ベルランゴ、ルノー・カングー同様にパワースライドドアこそないものの)。「趣味を堪能するオトナの遊びゴコロを楽しめるクルマ」として、アウトドア派などにもうってつけの1台といっていい。

 ところで、ボックス型ミニバンもそうだが、このドブロもバックドアが大きく開くため、車体後方にスペースのない場所ではバックドアを全開することは難しい。そこで日産セレナなどにもあるような、リヤウインドウ部分だけを開閉できるリヤオープニングガラスハッチを完備。このあたりは商用車ならではの使い勝手が生かされている部分だろう。実際、使いやすさは抜群だ。

 ここでマイナーチェンジの概要を説明すると、まずエクステリアでは新世代フィアットのブランドロゴ採用によるフロントフェイスの一新だ。新しいLEDヘッドライトを用い、フィアットロゴは新レタリングに変更され、フロントグリル右端には1980~90年代のフィアットを思わせる4本線のマークがあしらわれている。

 1980年代にフィアット・ウーノに乗っていた筆者(初代ウーノのカタログのコピーを書かせていただいた)としては、懐かしさが蘇ってきた……。

 この種のクルマのお約束(シエンタも採用している)といえるサイドバンパー(サイドアンダーモール)はこれまでの樹脂むき出しからグロスブラック素材が使用され、上質感、精悍さを高めている。もっとも、洗車、悪路走行での磨きキズ、擦り傷の目立ちにくさという点では、樹脂むき出しのほうがいいのかも知れないが……。

 ブラック基調のインテリアはシルバーのアクセントカラーをインパネ、ドア内張り部分に組み合わせ、シートの刺繍パターンも変更。前席にはフィアットロゴ入りのシルバーラインがアクセントとして入っているのもマイナーチェンジモデルの細かな特徴である。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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