この記事をまとめると
■自動車メーカーの長い歴史のなかには惜しまれながらも消えていった技術・クルマがある
■メーカーが掲げる理想を実現できないという理由で消えてしまったクルマもあった
■名車との評価を受けながらも「らしくない」という理由で終売したスポーツカーもある
ミニバンではマツダの理想は実現できなかった
日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025で、実行委員会特別賞を受賞したマツダのMX-30 Rotary EV。これはいまから半世紀以上前にマツダが開発に着手したロータリーエンジンの技術を世界で唯一量産化し、一度は消えそうになりながらも令和の時代に合わせた電動化技術という形で、見事に継承したことが評価されています。
そこには「ロータリーエンジンの火は消さない」という、マツダのプライドが見え隠れしていますが、自動車メーカーでは長い歴史のなかで惜しまれながらも消えていった技術、やめてしまった開発というものが少なからずあるものです。今回はそのなかから、とくに「あれはやめて欲しくなかった」という声が大きいものをピックアップしました。
まずは、2018年にプレマシーが生産終了したにもかかわらず、いまだに「これがいい」と気に入って乗り続けている人が多く、復活が望まれるマツダのミニバン。ミッドサイズのMPVとコンパクトサイズのプレマシーがあり、両側スライドドアを備えながら爽快でパワフルな走りを実現しているところが魅力でした。
しかしマツダは、ミニバンではマツダが理想とする安全性やデザインが実現できないとし、ミニバンからの撤退を表明。その後は3列シートを備えたSUVであるCX-8でファミリー層からのニーズを引き受けてきましたが、どうしてもボディサイズが大きくなることや、やはり子育て世代ではスライドドアが重宝することなどから、プレマシーのようなモデルが復活することを願っているファンも多いのです。
現在、3列シートSUVはCX-8からCX-80へと引き継がれています。
続いて、やはり「ほかに乗り換えたい軽がない」と根強いファンをもっているのが、スバルが作っていた軽自動車。
R1、R2、ステラとラインアップを豊富に持っており、660ccで直列4気筒エンジンを搭載していたり、四輪ともストラット式の独立懸架サスペンションを採用していたりと、スバルらしいこだわりが満載となっていました。
ところが、トヨタとの関係が深まり、軽自動車の開発は同じトヨタグループのダイハツが担うことから、スバルの軽自動車開発はストップ。1958年にスバル360を発売してから連綿と続いてきたスバルらしい軽自動車の歴史にも幕を閉じたのでした。