こんなんとても動かせない……ってのは昔のハナシ! 「いまのスーパーカーは誰でも走らせられる」とスーパーカー大王が語るワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■かつてスーパーカーは視界の悪さや重い操作系により簡単に運転できる代物ではなかった

■現在ではパワーステアリングはもちろん2ペダルも当たり前になり格段に快適になっている

■運転の難易度をぐっと下げたスーパーカーとしてはフェラーリF355が挙げられる

スーパーカーを乗りこなすにはウデが要る……というのは過去の話

 かつて、スーパーカーといえば、それは誰もが簡単に乗りこなすことができる乗り物ではなかったような気がする。そのエクステリアデザインは流麗でかつ美しく、見る者を魅了して止まないものの、その一方でキャビンからの視界は絶望的に限られたものだ。それに、クラッチやステアリングの重さ、さらには熱との戦いまでもが加わるのだから、スーパーカーを日常的に使おうなどというユーザーは珍しい存在だった。

 それがいまではどうだろう。女性でも簡単にドライブできるスーパーカーが続々と誕生し、渋滞が激しい都市部の街なかでもそれを見かけることは珍しくはなくなった。

 その理由として考えられるのは、スーパーカーの扱いやすさが格段に向上したことだろう。もちろん、現在でもドライブすることを簡単に決断できないモデルもある。そもそもスーパーカーも、ほかのジャンルと同様にボディサイズは大型化する傾向にあるから、とくにそれぞれのメーカーがフラッグシップに位置づけるモデルや限定車などは、まだまだドライブ時の緊張感は大きいといえるのかもしれない。

 ドライブのしやすさが際立っているのは、それらよりもコンパクトなモデルたちだ。現行モデルで例を挙げるのならば、フェラーリの296やランボルギーニのウラカン(こちらはすでに後継車のテメラリオがデビューを飾っているが)、マクラーレンにはアルトゥーラがある。

 これらのモデルをドライブしてまず感じるのは、乗り心地の素晴らしさと優れた操作性。つまり、ドライブするために難しさというものを一切感じさせないのが第一の特長なのだ。

 ステアリングにはいずれもパワーアシストが備わり、ミッションはデュアルクラッチの2ペダル。その利便性をスーパーカーユーザーがいつくらいから感じることができるようになったのだろうと、スーパーカーの歴史を遡ってみたら、一台のフェラーリに行きついた。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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