Z世代よ躊躇しているヒマはない! 昭和オヤジがいまの若者に「ほしいクルマはいま買え」と心から叫ぶワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマを取り巻く環境は年々変化している

■結婚をしたり職場での地位が上がると時間の余裕がなくなる

■Z世代に向けてお父さん世代がクルマとの付き合い方を伝授する

迷ってるうちに憧れのクルマが買えなくなる

「まったくいまの若い奴らは……」なんて揶揄されていた、かつて「新人類」と呼ばれた世代の人たちも、いまやアラ還(還暦)を迎えつつあります。そして現代の若者たちから「まさしく老害だよな」といった陰口にちょっぴり傷つきつつも、家族のため、そして自分自身のために懸命に日々頑張っているのです。

 そんなお父さん世代(すでにお祖父ちゃんになった人も?)から、若い世代のクルマ好きの方たちに向けて、余計なお世話&老婆心ながら伝えたいことがあります。

●10年後・20年後に手が届かない存在かもしれない

 かつての新人類が若いときにデビューしたR32型スカイラインGT-R。もう35年も前のことです。当時の車両本体価格は445万円。当然ながら高嶺の花でした。それでも無茶なローンを組んでこのクルマを手に入れ、さらにはチューニングを施し、食費を切り詰めてでもガソリン代とクルマの維持費に充てていたのです。しかし、結婚をはじめとする生活環境の変化に伴い、手塩にかけて作りあげてきたGT-Rを泣く泣く手放します。そして誓ったのです。「またいつか手に入れよう」と。

 ところが、ここ数年でR32型スカイラインGT-Rをはじめとする旧車およびネオクラシックカーの相場が急上昇したのは知ってのとおりです。もはやひと昔前のスーパーカーのような相場で取り引きされるスカイラインGT-Rを複雑な心境で見守ることしかできません。またいつか、相場が落ち着いてくれると信じて……。しかし、その保証はどこにもありません。しかも、さらに上昇する可能性もあります。「“いつか”は訪れない」。ほしいと思ったときに手に入れないと、永遠にチャンスを逃してしまいかねないのです。

●結婚したら乗れないかもしれない

 結婚しても夫婦2人だけであれば多少の融通が利くかもしれませんが(パートナーの性格にもよるので個人差はかなりありますが)、子どもがいたら確実に自由な時間はなくなります。当然、クルマも家族構成に合わせたものになります。オープンカーや2ドアクーペなんてもってのほか。使い勝手を考慮すると、両側電動スライドドアを装備したミニバンが子育て世代の最適解となってしまうのです。

 家族ももちろん大事だけど、どうしても現在の愛車を手放したくない場合、結婚前にパートナーと相談して了承を得ないとかなりの確率で、しかも深刻な事態に発展するほどトラブります。やむを得ず家族用のクルマを増車するか、それが無理なら代替案を用意して、家族が出掛ける際に困らないような「足となるクルマ」を確保しなくてはなりません。

 いざとなればレンタカーやタクシーを使えばいいと思うかもしれませんが、夜中に子どもが熱を出して病院に連れて行く場面に遭遇したりしたものなら、そんな悠長なことはいってられません。そういった非常時のことも想定しておく必要があります。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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