ルーメン・カンデラ・ルクス……って聞いたことあるけどなんだっけ? クルマのヘッドライトバルブを選ぶなら知っておくべき4つの単位 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマのヘッドライトバルブに関わるさまざまな用語が関わる

■ヘッドライトの構造や劣化具合によっては数字上の効力を得られない

■「ルーメン」「カンデラ」「ルクス」「ケルビン」の意味を解説する

ヘッドライトにまつわる用語

 自動車のヘッドライトの明るさを語るとき、「ルーメン」「カンデラ」「ルクス」「ケルビン」といった複数の単位が登場し、一体どれが重要なのか混乱することはないだろうか。愛車のライトをより明るく、機能的にアップグレードしたいと考えるクルマ好きの諸兄にとって、これらの単位の違いを理解することは非常に重要である。今回、それぞれの単位がなにを示し、どのように自動車の灯火類と関連しているのかを紐解いていこう。

<光源の明るさを表す「ルーメン」>

 自動車用ライトを購入する際、まず目にするのが「ルーメン(lm)」という単位である。これは光源が発する光の「総量」、すなわち光束を表している。プロジェクターやLED電球のパッケージに記載されているのを見たことがあるかもしれない。ルーメン値が高いほど、その光源はより多くの光を発していることを意味する。しかし、ルーメンはあくまで光源自体の能力を示すものであり、実際に照らされる場所の明るさを示すものではない点に注意が必要だ。

 自動車のヘッドライトにルーメンを用いる場合、これはバルブが放出する光の総量を意味する。高ルーメンのバルブは確かに明るいが、その光がどのように配光されるか、つまりどれだけ効率的に路面を照らせるかは別の問題である。リフレクターやレンズの設計が適切でなければ、高ルーメンのバルブを使用していても期待したほどの明るさは得られない場合があるのだ。

<光の強さを表す「カンデラ」>

 次に「カンデラ(cd)」について見ていこう。カンデラは、特定の方向への光の「強さ」を表す単位である。ある方向への光の集中度を示すため、スポットライトや自動車のヘッドライトの性能評価に用いられる。日本の車検では、ヘッドライトの明るさはカンデラを基準に測定される。これは、ヘッドライトが特定の方向にどれだけ強く光を照射できるかが、夜間の視認性を確保する上で重要だからだ。

 カンデラ値が高いヘッドライトは、遠方をより明るく照らすことができる。これにより、夜間のドライブでの視認性が向上し、より安全な運転が可能となる。ただし、カンデラ値が高ければいいというわけではなく、対向車への眩しさも考慮する必要がある。適切に設計されたヘッドライトは、必要な方向に十分な光を届けつつ、他者への影響を最小限に抑えるバランスが重要となる。


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