車両火災対策で「消火器」を積むなら「種類」に注意! 場合によっては人体に有害なものも存在する!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■消火器には水系・粉末系・ガス系がある

■レーシングカーの車載消火器にはガス系のハロゲン化物消火器が採用されている

■ハロゲン化物消火器が放出したガスは熱で人体に有害な熱分解生成物を発生するので要注意

消火器の消火剤は3タイプに分別できる

 火災が起きた場合、初期消火の有効な手段として消火器が使われる。また、この消火器には、火災の種類によって適した消化剤のタイプがあることもよく知られている。そんな消火器のなかで「ハロン1301」の文字を目にしたことはないだろうか。公共の駐車場などで目にした方もいるかもしれないが、消化剤の「ハロン」とはいったいどんなものか、少し詳しく調べてみることにしよう。

 まず、火災とは何かだが、火が燃えるには、燃える物が存在すること、火が燃えるための温度が必要であること、火が燃えるための酸素があること、この3つが条件となる。このうち、どれかひとつ以上の条件が欠ければ、火は消えることになる。消火器は、火災を成立させるどれかひとつの条件を取り除くことで、鎮火させる消火道具である。

 一般的には、水による消火方法がよく知られているが、これは温度を下げることによって火を消すもので、油や電気による火災などに対しては十分な効果が得られないばかりか、場合によっては火災を拡散、被害を拡大させるおそれもある。そこで考案されたのが、大気(酸素)と燃焼物を遮断する消火方法である。消火剤で燃焼物を包み込み、大気(酸素)と遮断する働きの消火方法だ。

 消火剤のタイプでいえば、水系以外の粉末とガス系がこれにあたり、とくにガス系の消火剤は燃焼物と大気を遮断する窒息効果を利用するため、消火物を汚損しないという特徴をもち、精密機器や電気火災の消火に対して有効な消火剤となっている。実際、市販される消火器には、火災の種類に応じた消火の適正が3色の丸印でラベル表示されている。白色が普通火災用で紙や木、プラスチックなどの火災用、黄色が油火災用、青色が電気火災用として示されている。


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