この記事をまとめると
■カーボンニュートラルとはCO2の排出量と吸収量がプラマイゼロになる考え方だ
■政府は国内の温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにすると発表
■現在の気候変動はいますぐクルマを全車EVにしないと間に合わない状態だ
カーボンニュートラルってそもそもなに?
カーボンニュートラル(炭素中立)とは、排出される二酸化炭素(CO2)と、吸収されるCO2が、プラスマイナスゼロになることをいう。
人間が暮らすうえで排出されるCO2を、植物の光合成や、CO2を地中に埋めるなどの技術によって、相殺することにより、気候変動の要因とされるCO2の大気中の増加を抑えるのが目的だ。
気候変動については、地軸の変化によるとか、氷河期の周期によるなど、CO2を含めた温室効果ガスの影響を原因とする論への異論もある。しかし、CO2を含めメタンなど温室効果ガスの影響で温暖化が進み、これまでと異なる気候になることに対する警鐘は、国際的な専門家による科学的報告として、気候変動に関する政府間パネル(ICPP)で1988年から発せられている。そして対策がとられはじめたにもかかわらず、すでに大気の平均気温は1℃あがっている。1℃と聞くと、わずかな差と思うかもしれないが、それは1年を通じた平均での数字であり、実際の振れ幅はもっと大きい。
温度上昇によりつい先日も、沖縄と奄美で季節外れの豪雨があり、線状降水帯が発生して与論島では過去46年で最大の雨量となった。また9月には、能登半島に豪雨があり、正月の地震被害に加えての災害となった。異常気象による災害と被害は、全国のみならず、世界で可能性が広がっている。背景にあるのは、海水温度の上昇と、上空の気流の流れが変わり、季節を問わず気象の異変が起こりはじめているからだ。