この記事をまとめると
■自分のクルマを整備するのに資格は必要なく整備の範囲も限られていない
■仕事として重要保安部品の分解整備を行えるのは指定工場か認証工場に限られている
■自分のクルマを整備するのは法律上問題はないが技術的に大丈夫かどうかは別問題
愛車を整備するのに特別な資格は必要ない
インターネットは情報の宝庫で、料理ならお店の味を再現できるレシピも載っているし、クルマの点検整備もかなり詳しいことまで調べられる。動画で丁寧に手順を紹介しているものまであるので、手先が器用で、基礎知識があって場所と工具さえあれば、けっこうな重整備だってDIYで可能になってきた。
しかし、整備士の資格をもっていない人が、どこまで自分のクルマをイジっていいのだろう? たしか、ブレーキの分解などは、認証工場でなければ許されていなかったような記憶が? と思う人もいるだろう。
結論からいうと、ユーザーが自分の愛車を整備するのに資格は必要なく、整備の範囲も限られてはいない。
道路運送車両法には「自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない」(第47条 使用者の点検及び整備の義務)とあり、法律的にはむしろ点検と整備の義務は使用者=ユーザーにあると定めているからだ。
では認証工場云々という話はどこから来たのか? それは仕事として依頼を受けて、他人のクルマを整備する際の条件だ。
具体的には、原動機(エンジン)、動力伝達装置(トランスミッション)、走行装置、操縦装置、制動装置(ブレーキ)、連結装置など、重要保安部品の分解整備を行えるのは、各都道府県にある陸運局の指定工場か認証工場に限られていて、資格の無いショップがユーザーのクルマに対し、そのような作業を行うことは違法行為になる。
というわけで、保安基準の範囲内であれば、ユーザー自身が自分のクルマを整備したり、チューニングしたり、カスタマイズするのは、法律上問題はない。
とはいえ、技術的に大丈夫かどうかは別問題で、ブレーキなど重要な部分に関しては、やはりプロに頼むのが一番。
機械いじり、クルマいじりは確かに楽しいが、ネット動画を見ただけで、いきなり重整備を試みるのはかなりリスキーだ。
まずは日常的な整備から取り組み、工具の使い方や整備の手順などに慣れ、それなりのノウハウと経験を積んでから徐々に本格的な整備を手がけるようにしていこう。