この記事をまとめると
■平成18年以降に製造されたクルマにはヘッドライトレベライザーが義務化されている
■乗車人数や積載する荷物の重さに応じてヘッドライトの照射位置を調整することができる
■ヘッドライトレベライザーをいじったらひとりで乗るときには「0」に戻すことを忘れずに
リヤが沈むとヘッドライトは上方を照らしてしまう
日没の時間が早まり、お天気によっては16時くらいでも「暗いなぁ」と感じる日もある秋から冬。ヘッドライトを早めに点灯することは、運転するときの視界を確保するためでもあり、周囲から自分の存在を認識してもらうためでもあり、いずれも事故防止に役立ちます。晴れている日でも15時を過ぎたらヘッドライトを点灯し、雨の日や曇りの日には終日点灯することが推奨されています。
そんなヘッドライトですが、いつもの道をいつものように走っているときに「なんか今日はライトが暗いなぁ」とか「よく見えないなぁ」と感じることはありませんか?
じつはヘッドライト(ロービーム)は、乗車人数や積載する荷物の量などによって、だんだんと上のほうを照らすようになってしまい、運転手が見たいところをしっかり照らしてくれなくなっている可能性があります。
そのために、上を向いてしまったヘッドライトの照射方向を下向きに調整するための「レベライザー」という装備があり、平成18年以降に製造されたクルマから自動または手動式のレベライザー装備が義務化となっています。
また、乗車人数や積載する荷物の重さだけでなく、アップダウンの多い山道を走るようなシーンで、前を走行するクルマのミラーや対向車のフロントガラスに自分のクルマのライトが直撃してしまっている、というようなときに照らす向きを変えることができます。
そんな機能があるなんて知らなかったという人や、なんとなく知っていたけどスイッチ(ダイヤル)がどこにあるのかわからない、いじったことがない、という人も多いのではないでしょうか?
メーカーによって多少の違いはありますが、手動式のレベライザーのスイッチ(ダイヤル)は、ライトのオン/オフスイッチに近い、インパネ内に配置されることが多くなっています。ライトが点灯しているようなアイコンと上下に矢印があり、指でコロコロと上下に動かすことができるダイヤルが目印です。LEDヘッドライトの場合は自動式のレベライザーが装備されます。
手動式レベライザーのダイヤルには0から5くらいまでの数字があり、通常は「0」の位置に合わせてあると思います。そこが、ヘッドライトが照らす方向(高さ)の基準位置となっており、乗員が運転手だけのときや助手席などにもう1名くらいのときは、おおむね「0」で走ります。
ところが、乗員の体重や荷物量にもよりますが、3名以上になってくるとだんだんとヘッドライトが基準位置よりも上のほうを照らすようになってしまうことがあるので、その場合にはダイヤルを回して「1」「2」「3」というように調整していきます。数字が大きくなるほど、ライトの照らす向きは下向きになります。乗員は運転席のみだけど、荷物が満載になっているような場合も、調整することでヘッドライトがより的確な範囲を照らしてくれます。
注意したいのは、乗員や荷物に応じてレベライザーを調整したあとに、自分ひとりで乗るときに「0」に戻すのを忘れないようにすること。ヘッドライトが下を向いたままで市街地などを走っていると、安全運転に支障をきたします。常に正しく使って、暗い道での運転を安心快適なものにしたいですね。