試験場ではV字クランクなども!
プロドライバーと聞くと、“レーシングドライバー”など、モータースポーツの世界でのプロドライバーを連想しがちだが、国が与える唯一のプロドライバーのライセンスがある。それが“二種免許”である。タクシー運転手や路線や貸し切りバス運転士など、いわゆる“営業ドライバー”が営業運行する際に必要となるライセンスである。
ただ、たとえばタクシーといえども、特別われわれ一般ドライバーが運転しているクルマと操作方法に大差はない。もちろん二種免許の取得に際しては、学科試験と実技試験を受けて合格しなければならない。それでは二種免許取得に際しどんなことが必要となるのかを見ていこう。ここではおもに実技試験についてみていく。
二種免許は1956年に導入されている。もともとは試験場の専用コース内のみで実技試験が行われていたが、2002年より路上検定試験も行われるようになった。現在では二種免許取得を取り扱っている教習所で実技試験を受けられるようになっている(実技免除)が、2002年の路上検定試験は各都道府県の運転免許センターで実技試験を受けなければならなかった。そして、その当時に普通二種免許を取得したA氏に話を聞いた。「いわゆる”試験場一発”というものでしたので、『一種免許を持っているのだからすぐとれる』と、まさになんの準備もせずに二種免許の実技試験を受けに来たひとも見かけましたが、そんなに甘いものではありません」とのことであった。
それでは二種免許の実技試験ではどのようなことをするのか聞いてみた。「まずはコース内の試験に合格しないと路上検定に出ることはできません。コース内で印象的だったのは”V字クランク”でしたね」。
A氏によると一種免許のS字などのクランクと同じように、コース内の太い道路から左折すると、2メートルほど(車幅ギリギリ)のV字型のクランクコースがあるとのこと。そしてこのV字を、切り返しを行ってとおり、再び太い道路に出るというもの。「車両間隔、とくにタイヤの位置をきちんと把握しているのかを確認するもののようで、切り返しの際に縁石にタイヤをぶつけてはいけません」。
それでは路上検定ではどのようなことをするのだろうか? A氏によると普通二種の場合はタクシーをお客さんを乗せて運転していることを想定して行われるとのことである。自動車運転に関する基本動作はもちろんチェックされるが、その基本動作に加えてお客さんを乗せているので、きちんとお客さんのことも意識しているかが全体のなかでチェックされるようだ。