タイヤはクルマの命綱なだけに見た目で選ぶのはダメ! とりわけ選択肢の多いクロカン4WD車のタイヤ選びの正解とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クロカン4WDには走る路面に合わせたタイヤがいくつか用意されている

■1980年代にはクロカン4WDを街なかで走らせたいユーザーが増えた

■用途に応じたタイプのタイヤをセレクトすることが肝要だ

大径でゴツいブロックパターンのタイヤだけじゃない

 セダン型、あるいはミニバン型の乗用車を所有している人はあまり知らない、気にしていないかもしれないが、クロスカントリー(以下クロカン)型4WDのタイヤには、じつはいくつかのタイプがある。注意して見たことはないと思うが、だいたいどれも大径でごついブロックパターンのタイヤ、というような印象をおもちではないかと思う。

 実際には、クロカン4WDのタイヤも、通常の乗用車用タイヤと同じように、主に走る路面のタイプに合わせ、オールテレーン、マッドテレーン、ハイウェイテレーンとわけられている。ちなみに「テレーン=Terrain」とは、直訳すると「地形」のことで、4WDタイヤの場合には、路面の状態を指している、と考えてよい。

 ところで、本来は不整地路走行を主眼に作られたクロカン4WDを、あえて街なかでふだんの足に使うという風潮が1980年代に生まれていた。ワイルドな雰囲気のクロカン4WDを街なかで走らせることがカッコいい、という価値観だ。

 発端は三菱パジェロ。もともとは商業ナンバー仕様の質素な4WDとして企画されたモデルだったが、ワイルドな雰囲気のクロカン4WDを日常の足として使うところにファッション性を見いだした人たちが、「アーバン4WD」という新たな使い方を確立させた。

 いいかえれば、本質的には荒れた不整地を難なく走破できるように作られたクルマを、平坦で滑らかな舗装路面を主体に走らせたい、使いたいというユーザー層の誕生である。

 ところが、実際こうした使い方をしてみると、車両の各部に少なからずミスマッチングが生じていた。細かくいえば、エンジンの特性、ミッションのギヤリング、ストロークも含めたサスペンションセッティング、タイヤの適合性などで、本来は低速走行で不整地を走破することを目的としたクロカン4WDが、高速走行で平坦な舗装路面を主体に使われるわけだから、不都合が生じるのは当然のことだった。


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