村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■レストアされた昭和39年式のボンネットバスに注目

■所有者は熊本県の山江村役場で名産の和栗「やまえ栗」から「マロン号」と名づけられた

■現在はイベントなどで活躍している

村民の手で蘇ったボンネットバスが現存

 あらゆる技術が発展してきた現代の日本。自動車の世界でも便利な機能が次々に開発され、標準装備されるようになった。いまを生きる若い世代の人には当たり前のように感じているパワーステアリングやパワーウインドウ、集中ドアロックやリモコンキー、オートマなども、昭和の中期では贅沢装備だったのである。

 それだけ便利な世のなかになったにもかかわらず、なぜか昭和の時代へと想いを馳せてしまう人は少なくない。自動車の世界でも、昭和時代の旧車を好んで所有する愛好家たちが数多く存在している。乗用車はもちろんのこと、昭和のトラックやバスをこよなく愛するマニアも全国各地に存在しているのだ。

 そんななか、ここでは熊本県で活躍する昭和39年式のボンネットバスに注目してみたい。現代ではキャブオーバータイプのバスが一般的となっているが、大正や昭和の時代では、エンジンルームが車体前部のボンネットに収められたものが主流だった。その形状からボンネットバスという呼称が後年になって付けられたのだが、昭和の時代を支えてくれたボンネットバスが現役を勇退後、美しく復元されているのである。

 その所有者は個人や企業ではなく、なんと熊本県の山江村役場。人口3200人ほどの小さな村を束ねる山江村役場の敷地内に、村民の手で蘇ったボンネットバスが現存しているのだ。

 ただでさえ珍しいボンネットバスでありながら、何かとお堅いイメージがつきまとうお役所が所有するという、そんなとてもレアな個体に密着してみたいと思う。


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