ホンダらしい「ユル感」で勝負! ライバル多数のクロスオーバー軽に殴り込むN-BOX JOYのデザイナーを直撃 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ホンダからN-BOX JOYが2024年9月27日に発売された

■本田技術研究所デザインセンターの小向貴大さんにデザインのこだわりを直撃

■ナチュラルかつニュートラルなデザインを目指してデザインされている

N-BOX JOYのデザイン担当者にこだわりを直撃

 ホンダのベストセラー超背高軽ワゴン「N-BOX」(エヌボックス)としては初のクロスオーバーモデル「JOY」(ジョイ)が、2024年9月27日に発売された。

 スズキ・スペーシア ギア、三菱 デリカミニ、ダイハツ・タント ファンクロスといった、先行するライバルが数多くあるなかで、N-BOX JOYはどのようなエクステリアに仕上げてきたのか? そのデザインを担当した、本田技術研究所デザインセンターの小向貴大(こむかいたかひろ)さんに聞いた。

──ベースとなった標準仕様から変更できる箇所は少なかったようですが、N-BOX JOYにアウトドアテイストをもたせるうえで、とくに工夫されたポイントは?

小向:生活に馴染むという標準仕様のいいところは活かしつつ、その延長線上にあるアウトドアを楽しんでもらう……というキャラクターにしたかったので、ギアっぽい要素を足し算していくことはせず、最終的な変更箇所は最小限に留めました。

──では、最初から変更範囲を制限されていたのではないのですね。

小向:社内ではもっと幅があったんですが、ベース車のよさを活かしつつ、日常の延長線上にある、ゆるいアウトドアを楽しんでもらうということで、こうなりました。

──ホンダさんはこういう肩の力が抜けたクルマを作るのが上手いと、改めて思いました。

小向:ありがとうございます。

──競合の3車種がコテコテのギア感を演出しているなかで、最後発のN-BOX JOYはそうしたゆるさを差別化のポイントにしたかったのでしょうか?

小向:そういう観点もありますし、日常に寄り添うN-BOXというコンセプトにおいて、日常のなかでふらっと川辺に寄り道して、テラスでコーヒーを楽しんだりという、チェアリングに近いイメージを与えたいと考えた結果として差別化できたと思っています。

 ホイールのデザインも、いかにもタフな足まわりというよりは、敢えてスチールホイールで、回転する方向性を感じさせないような同心円デザインを与えることで、ゆるさを出すことを狙っています。

──ホンダさんとしては非常に珍しく、あえてレトロテイストを出すようなデザインになっていますよね。それはNシリーズに共通する特徴だとも思いますが、メインターゲットのユーザーもレトロモダン系が好きな人が多いと分析されているんですか?

小向:内装にチェック柄を使っているのがN-BOX JOYのハイライトなんですが、レトロというよりは、若い人からすれば、クルマにチェック柄が使われることにあまり馴染みがないと思います。若い人には新鮮で、年配の人には新しくも懐かしい、ノスタルジーだけではない新しいところを狙っています。

──昨今の1980年代音楽ブームに通じるものを感じますね。

小向:若い人にもはやっていますが、それが新しいということですよね。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
趣味
ゲーム
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