オヤジ世代の青春を支えた「インテグラ」「bB」「キューブ」など名車が次々と消滅! いまハッチバックが減少の一途を辿るワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■かつての国産市場にはハッチバックが数多く存在した

■ハッチバック減少の背景にはコンパクトSUVの増加がある

■軽自動車人気が高いこともハッチバック減少の理由になっている

ハッチバックが減ったワケ

 以前はトヨタならラクティス/ラウム/ポルテ&スペイド/bB、日産ではパルサー/ティーダ/キューブ/マーチ、ホンダではインテグラ、マツダではベリーサなど、さまざまなハッチバックモデルがあった。

 天井の高さもさまざまで、日産であれば背の低い低価格のマーチ、内外装が上質で後席も快適なティーダ、天井が高く開放感の伴うキューブという具合だ。ニーズに応じて、5ナンバーサイズのハッチバックを選びわけられた。

 しかし、前述の車種は、いまではすべて廃止されている。とくに3ナンバーサイズのミドルサイズハッチバックは、残されていても販売が低調だ。カローラスポーツの1カ月平均登録台数は700台前後で、カローラシリーズに占める割合は4%と少ない。継続生産型のカローラフィールダーを下まわる。マツダ3もセダンを含めて、1カ月平均が1000台以下だ。

 その結果、3ナンバーサイズのミドルサイズハッチバックで好調に売られているのは、1カ月平均が6200台のプリウスと、約4000台のノートオーラ程度だ。スバルのインプレッサは、SUVのクロストレックを除くと約1000台になる。

 ミドルサイズを中心にハッチバックの売れ行きと車種数が減った背景には複数の理由がある。まずは全長が4500mmを下まわるSUVの好調な売れ行きと車種の増加だ。SUVのカローラクロスは、登録台数がカローラシリーズ全体の50%近くに達する。同様にヤリスクロスも、ヤリスシリーズの約50%を占める。価格の安いライズも堅調だ。ホンダもヴェゼルとWR-Vを手堅く販売している。

 これらのコンパクトなSUVは、ミニバンほどではないが天井を高く設定して、全長の割に車内が広い。運転しやすく、後席や荷室にも相応の余裕があるからファミリーカーとしても使いやすい。そこで売れ行きを増やし、ミドルサイズやコンパクトなハッチバックが減った。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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