交通違反の罰金が払えないと「身体で払う」ことに! 反則金&罰金は甘くない

この記事をまとめると

■交通違反における反則金は行政処分で刑事手続きが免除される

■罰金は刑事事件上の罰則なので懲役刑などと同じ扱いだ

■罰金が支払えない場合は「労役場留置」となり身体で支払うことになる

反則金が払えない!……どうなる?

 交通違反を犯し警察官につかまると、青切符や赤切符を切られ、違反点数に加え反則金もしくは罰金を科せられる。

 物価高の昨今、懐具合も厳しいので、自業自得とはいえ急な出費は勘弁してほしいところ。踏み倒す気はないにせよ、ない袖は振れないのが現実で、万が一、期日までに反則金、罰金を支払わないとどうなるのか。

 まず反則金からみていこう。

 反則金は行政処分で、反則金を支払うことで刑事手続きが免除される仕組みになっている。反則金の納付はじつは任意で、青切符を受け取ってから40日を過ぎると督促状(反則通告)が届き、これを無視すると検察庁に呼び出され、刑事手続きに移行する。

 違反して現場で警察官に捕まっても、「自分は無罪だ」と固く信じている人は、反則金を収めず、検察庁に出向き、「裁判をしたい」と申し出るのもありだろう。検察官が起訴すれば正式な裁判になり、負ければ刑事罰を受ける。不起訴になれば無罪放免。

 ただし、反則金を収めないまま警察や検察の呼び出しを無視し続けると、逃亡などのおそれがあると判断され、逮捕される可能性があるので要注意。

 ただし、反則金を支払えば行政処分で済むので、交通前科はつかないが、いざ裁判を起こして負けると刑事処分になり、前科もつく。

 一方、罰金は刑事処分。違反点数6点以上の重い交通違反を犯すと赤切符が切られ、後日、検察庁への出頭を命じられ、裁判によって罰金額がいい渡される。

 罰金は、刑事事件上の罰則なので、懲役刑などと同じペナルティであり、反則金のように任意の性質のものではない。罰金も反則金と同じく期日までに支払いがない場合はまず督促状が届き、それを放置しているとクルマなど財産を差し押さえられる可能性がある。

 それでも支払い能力がない人は、「労役場留置」となり、「労役場」で所定の作業をして身体で支払うことになる。

 たとえば、10万円の罰金が払えなかったとすると、1日5000円換算で、20日拘束・留置されて、強制労働させられる……。

 反則金も罰金も一括払いが原則なので、お金がなければ誰かから借金するか強制労働に行くしかないが、高額な罰金の場合は、検察庁の徴収担当に相談してみると、事情によっては分割払いが許される可能性もあるらしい(反則金は分割不可)。

 いずれにせよ、交通違反をしなければ、支払う必要のないお金なので、日頃から交通ルールを遵守し、警察のお世話にならないことが一番有効な対策だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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