この記事をまとめると
■「ジャパントラックショー2024」で中〜大型トラック用のアンダースカートを発見
■展示していたのは「HEARTON CRAFT(ハートン クラフト)」だ
■スタンダードとロースタイルの2種類が用意されている
サイドスカートによってトラックの燃費を改善
トラックのカスタムといえば、神社仏閣をモチーフとした和製デコトラが定番のスタイルで、日本では長らくそのほかのスタイルはほぼ育ってこなかった。けれども、欧米ではまったく違ったスタイルのカスタムが成長を続けるているだけでなく、燃費向上や安全面を考え、なおかつカッコいいカスタムも生まれている。エアロパーツもそのひとつだ。
かつて、特装車加工メーカーのパブコが、三菱ふそうスーパーグレート用に開発したエアロパーツが、トラック用エアロパーツのパイオニアといってもいいだろう。それもホンの13年前のことだ。サイドスカートを追加することでスタイリッシュになるだけでなく、燃費改善効果も期待できる。
三菱ふそうは燃費改善を目的に架装をしたコンセプトトラック「三菱ふそうスーパーグレート・フューエル・エフィシェント・トラック」を2011年に発表している。
これは、スーパーグレートをベースに新型ドラッグフォイラー、サイドスカート、リヤスポイラーなどを装備することにより、空力特性を最適化。さらに、軽量ボディ、太陽電池を併用した電力管理、低転がり抵抗タイヤなどの採用により、従来と比べ10%以上の燃費改善効果を実現した実験車両だった。
このサイドスカートはパブコ製で、その後市販されて長距離輸送のトラックに採用されたケースもあるが、まだまだ少数派だった。
それから13年が経った現在、ジャパントラックショー2024で日本初の大型トラック用エアロパーツが登場した。HEARTON CRAFT(ハートン クラフト)が、大型〜中型トラックに装着可能なアンダースカートを開発、発売したのである。
欧州でも空力特性改善のためにアンダースカートは用意されているが、それらはフラットな形状が多く、ドレスアップ的な要素は少ない。それに対して、ハートンクラフトのアンダースカートは、ボディサイドにダミーのフィンが刻み込まれていて立体感を高めるとともに、デザイン上のアクセントとなっているのだ。
それは往年のチューニングブランド「ケーニッヒスペシャル」を彷彿させるデザインであるところがまた憎い。かつて、フェラーリやメルセデス・ベンツなどをチューニングしたドイツのチューニングブランドに憧れた年代には堪らないデザインだろう。
このアンダースカート、目的や車格などに応じて高さの異なるスタンダードとロースタイルの2種類が用意されている。スタンダードタイプはスカートの高さが60cmなのに対して、ロースタイルタイプは75cmとなっている。素材はFRPだが、樹脂にビニエステルを採用することで、軽量ながら強度と耐久性に優れる、こだわりの品質であることも特徴だ。
16ピースのセットで価格は198万円(ロースタイルは275万円)と、まずまずな価格。デコトラの飾りと比べればリーズナブルで、燃費向上も期待できるから、遠からず元が取れることも大きな魅力。
これからは高速道路を走るトラックに、サイドスカートが装着した車両が増えることになりそうだ。