この記事をまとめると
■一部のエリアでは金網を被せたようなネット状のトンネルが存在する
■野生動物の保護やゴルフ場などからの飛来物を防ぐ役割を持っている
■施設が撤去されるとトンネルも撤去される場合が多い
網のトンネルが守っているものとは
トンネルは通常、山のなかをくり抜いたものだが、高速道路にはときどき平地なのに金網を被せたようなネット状のトンネルが出没する。あれはいったい何のためにあるのだろう?
あのネット状のトンネルの目的は主にふたつ。
ひとつは自然保護、野生動物の生息環境保護を目的にしたもの。圏央道の川島・鶴ヶ島間の金網のトンネルがその代表。
この区間には、絶滅のおそれのある希少野生動物(オオタカ・サシバ)の生息が確認されていて、これらの生息地に対し、クルマの光と音の遮へい、さらには幼鳥などの道路内進入防止を目的として、「グリーンネット」と呼ばれるネットを設置している。
もうひとつは、「飛球防護柵」として設置されたもの。関越道の東松山ICの南側の金網のトンネルがよく知られているところ。
ここは高速道路のすぐわきにゴルフ場があり、ゴルフボールが高速道路上に落下してくることを防ぐために設置されたネットだと思えばいい。
関越道以外でも、ゴルフ場やゴルフ練習場が隣接している高速道路では、この「飛球防護柵」を見かけることがあるはずだ。基本的に、飛来物の道路への落下を防ぐためにある金網なので、ゴルフ場やゴルフ練習場が廃業すると、「飛球防護柵」も撤去されるといわれている。
山のなかでもない、海底トンネルでもない、スノーシェルター・スノーシェッドでもない、平地に突如現れる金網のトンネル、「何のためにあるの?」と不思議に思っていた人もいたかもしれないが、上記の理由で納得し、すっきりしたのでは。