この記事をまとめると
■転回禁止場所でなくほかの交通を妨げるおそれがない場合は左車線からも転回は可能
■実際の道路では交通の流れがあるので大通りでの転回は難しいケースが多い
■転回するよりも交差点の右左折を利用して進行方向を変えたほうがスムースな場合も多い
法律上は左側の車線からUターンすることは可能
片側2車線以上ある道路で転回しようとしたときは、一般的に右側の車線に入り、道路の中央に寄った状態から転回します。しかし、道路の構造や対向車線側の道幅によっては、一度で転回できない可能性があるために、左側の車線から転回したいというときもあるのではないでしょうか。今回は、片側2車線以上ある道路の左側から転回できるのか解説します。
Uターン(転回)の方法や禁止されている場所
まず、転回(Uターン)の方法について確認しておきましょう。転回するときは、右折するときと同じように、あらかじめ合図(右ウインカー)を出して転回します。
次に、転回が禁止されている場所についてです。道路交通法をわかりやすくまとめている「交通の方法に関する教則」によると、転回について次のように示されています。
1)歩行者の通行やほかの車などの正常な通行を妨げるおそれがあるときは、横断や転回や後退をしたり、道路に面した場所に出入りするために右左折や横断をしたりしてはいけません。
2)標識や標示によって横断や転回が禁止されているところでは、横断や転回をしてはいけません。
つまり、標識や標示で禁止されていない場所で、ほかの交通や歩行者などの通行を妨げるおそれがないときは、転回してよいということになります。
片側2車線の道路で左車線から転回してもいいのか?
さて、本題の片側2車線以上ある道路の左側の車線から転回してもよいのかという点についてです。
先述したように、転回禁止場所を避け、ほかの交通の通行を妨げるおそれがない場合は転回できることから、法律上は左側の車線から転回することは可能となります。
もし、複数の車両通行帯のある道路で左側の車線から転回を禁止する場合、禁止事項に明記されていたり、転回の方法として右左折の方法と同様に定められているはずです。そのため、法律上は左側の車線から転回することが可能といえます。
ただ、実際の道路では、自車の道路の交通や対向車線だけでなく、信号のタイミングや歩行者や自転車の有無など、さまざまな要因が複雑に絡み合っているなかで転回のタイミングを見極めなければなりません。そのため、幹線道路をはじめとする大通りでは転回が難しいケースが多いでしょう。
なお、高速道路の本線上での転回・横断・後退は法律により禁止されています。一般道路と高速道路のルールを混同させないようご注意ください。
法律上の問題はないものの実際に左車線からUターンするのは難しい
合図の時期や転回の方法さえ間違っていなければ、片側2車線以上ある道路の左側からUターンすることは可能です。
ただ、実際の道路では転回が難しい場合も多いため、転回することにこだわるよりも、交差点の左折や右折を利用して進行方向を変えたほうが楽な場合も多いでしょう。
もし、転回をするときは、後続車、対向車、歩行者や自転車など、さまざまな部分に注意しながら行うようにしてください。