この記事をまとめると
■過去に販売されていたスポーツカーはいまでもファンが多い
■1カ月で1万台近くクーペやスポーツカーが売れていた時代もあった
■スポーツカーやクーペはクルマの魅力の本質を突いたカテゴリーなので絶滅はしない
スポーツカーは今後も増えることがない?
スポーツカーの復活を願うクルマ好きは多いだろう。かつて人気の高かったシルビア、プレリュード、セリカ、RX-7、ランサーエボリューションなどは、いまでも愛好家が多い。そのために、ジャパンモビリティショー2023に「ホンダ・プレリュードコンセプト」やロータリーエンジンを搭載する「マツダ・アイコニックSP」などが出品されると、大きな注目を集める。
ただし、車両の開発には膨大なコストがかかり、堅調に売れなければ甚大な損失を被る。2009年に発表されたスーパースポーツカーのレクサスLFAは、想定される開発費用に対して、生産予定台数が500台と明らかに少なかった。開発者に「価格が3750万円でもLFAは赤字ではないのか?」と尋ねると「F1に参戦するようなものと考えてくれ」と返答された。
LFAのように、イメージリーダーとしての存在価値に重点を置くスポーツカーも、歴史を遡ると皆無ではないが、あくまでも例外だ。基本的には勝算がないと商品化には踏み切れない。
そしていまは軽自動車/コンパクトカー/ミニバンに加えてSUVの販売比率も増えたから、スポーツカーを含めたクーペは売りにくい。2024年上半期(1〜6月)の1カ月平均登録台数は、クーペの最多販売車種になるロードスターが826台、GR86は667台、BRZは294台、フェアレディZが262台という具合だった。