この記事をまとめると
■雪国の降雪時期に活躍する「除雪グレーダ」という特殊な乗り物が存在する
■クルマが押し固めた圧雪状態の雪を除去するのが役目だ
■運転や操作には高い技術が求められる
雪を根こそぎ削り取る役目が除雪グレーダの役目
今年も7月に入ってから梅雨時期らしいジメジメとした天候が続き、レジャーにも思うように出かけられないので、気分的にもモヤモヤが続きます。気分もそうですが、週末を何度か出かけずに過ごすと愛車の具合も気になってきますね。
そんな梅雨の時期ですが、今回紹介するのは雪国の降雪時期に活躍する「除雪グレーダ」という特殊な乗り物についてのお話です。
今回は、それほど配備しているところが多くないというこの「除雪グレーダ」を活用している「国土交通省・山形河川国道事務所」の広報部に話をうかがいましたので、その内容を紹介していきたいと思います。
真夏のこの時期に除雪の話なんてまったくもって時季外れがはなはだしいのですが、こんな時期にこそ雪国で働くクルマが活躍するシーンを想像して、脳内だけでも涼んでいただけたらと思います。
■除雪グレーダとはどんなクルマ?
雪国で活躍する除雪用の特殊なクルマにはその用途に応じて幾つかの種類にわかれています。
よく見かけるのは「除雪トラック」でしょうか。
全輪駆動のトラックの前部に除雪専用のユニットを装着して、路面に積もった雪を掻き込んで道路脇に向けて放出するのが働きのクルマです。
その仕組みから、厚く積もった雪を路面から除去するのに適していますが、硬く固まってしまった圧雪を削り取るのはニガテです。
そんな固まった雪を削って崩すのに適しているのが「ロータリー除雪車」です。
その名のとおりに車体の前部に、「オーガ」と呼ばれる大きく頑丈なローラー状の雪掻き装置を備えていて、そのローラーを回転させながら雪を力強く切り崩していきます。
その作業の種類上、スピードよりも押し進むトルクが重要なため、本体はトラックというよりは重機といった感じの姿をしています。
そしてそれらの除雪車たちがざっくりと雪を取り除いたあとや、クルマが押し固めた圧雪状態の雪を除去するのが今回紹介する「除雪グレーダ」です。
車体の前半分に細長いフレームを備え、その前端には目のようにヘッドライトを装備した特徴的なスタイルは、まるで昆虫のナナフシを思わせるインパクトのある外観をしています。
その長いフレームの下にブルドーザーと似たブレードが装着されていて、そのブレードによって路面に押し固められた雪を脇に押し除けながら進んでいきます。
つまり、除雪トラックやロータリー除雪車では取り切れなかった雪を取り除くがこの「除雪グレーダ」の役割なのです。