【試乗】SUVではないというフェラーリの「いい訳」も乗れば真実に変わる! プロサングエが見せた「あくまでフェラーリ」な世界 (1/2ページ)

この記事をまとめると

フェラーリから4ドアモデルとなるプロサングエが登場した

■フェラーリはプロサングエをSUVではなくスーパースポーツの新しい形と定義する

■プロサングエの詳細や試乗インプレッションをお届けする

プロサングエは純然たるフェラーリ

 わが社がSUVを生産することはない。インタビューの機会があるたびに、フェラーリの首脳は我々にこう答えてきた。だが、ほかのプレミアムブランドの動向を見るかぎり、SUVが非常に大きな利益を生み出していることは間違いのない事実であり、フェラーリもそれに興味をもたないことはありえないと世界のフェラーリスタは予想していた。

 そのようななかでフェラーリは、「プロサングエ」、つまり純血=サラブレッドを意味する名を掲げたニューモデルを発表してきた。その姿はまさに高い実用性をもち、これまで彼ら自身が否定してきたSUV。

 だがフェラーリはこうコメントした。それはスーパースポーツの新しい種であり、純然たるフェラーリでありSUVではないと。

 彼らのいうことは、そのドライビングシートに身を委ねてみれば一瞬で理解できるだろう。外観から想像する以上にそのドライビングポジションは低く、スポーツカーのそれと評することに何らの抵抗はない。

 ボディサイズは4973×2028×1589mmと確かにコンパクトサイズとはいえないが、デザインの妙がそのサイズを感じさせない理由となっている。

 フェラーリはこれまでに2+2GTでGTC4ルッソ、FF、612スカリエッティといった作を市場に投じているが、いずれもそれらがデビューしたときの衝撃は大きかった。とくにハッチバックに4WDのメカニズムまでも搭載したFFは、賛否両論こそ巻き起こしたものの、その走りはあくまでもフェラーリの正常進化の途上にあったことを思い出す。

 それと同じことがプロサングエにも起きたとすれば、それはただ単にSUVのスタイルにデザインされた、フェラーリ伝統のスポーツカーという解、そのものは変わらないのだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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