この記事をまとめると
■レースシーンではトップと最下位に大きなギャップがつくことも珍しくない
■似たシルエットのマシンでも速さの差は大きいがその最大の理由はパフォーマンスの違いにある
■マシンのパフォーマンスに大きな違いが生じるのはセッティングの違いが大きい
同じようなスペックなのに速さに違いがあるレースマシン
F1やスーパーフォーミュラなどのフォーミュラカーはもちろんのこと、スーパーGTのGT500クラス、GT300クラスなどのGTカーにおいても、レースシーンでは常に激しいポジション争いを展開。タイムアタックによる予選はもちろんのこと、一堂にスタートを切る決勝でも各マシンは激しいバトルを展開しているが、トップにつけているマシンと最下位にいるマシンとでは、大きなギャップがつくことも珍しくはない。
各カテゴリーに参戦しているマシンは、いずれも似ているようなシルエットだが、なぜそこまで大きな差が生まれるのか? その最大の理由はやはり、マシンのパフォーマンスの違いといえるだろう。
世界最高峰のフォーミュラレース、F1ではタイヤこそピレリのワンメイクでコントロールされているが、マシンに関してはフェラーリ、メルセデス、アストンマーチン、マクラーレン、ウイリアムズ、レッドブルなど計10社のコンストラクターがオリジナルマシンを投入。さらに、パワーユニットに関しても、ホンダ、メルセデス、フェラーリ、ルノーの4社がエンジンを供給していることも大きなポイントだといえる。
当然、コンペティションであるがゆえに開発競争が激しく、その開発能力や技術力がマシンのパフォーマンスを左右しており、タイム差に現れてくるのである。
このことは世界最高峰のスポーツカーレースであるWECや日本発の国際レース、スーパーGTでも同様である。
とくにスーパーGTは、GT500クラスにトヨタがGRスープラGT500、ニッサンがZ NISMO GT500、ホンダがシビック・タイプR-GTを投入するほか、GT300クラスは国際規定モデルのFIA-GT3に加えて、スーパーGT独自のGTA-GT300/GTA-GT300MCなど複数の車両規定を採用していることからさまざまなマシンが参戦。
しかも、スーパーGTはブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップに加えてGT300クラスにはミシュランも参入していることから、マシンおよびタイヤの特性の違いがリザルトに直結している。
とはいえ、スーパーGTにおいてじつにユニークなポイントがBoPを採用していることで、リザルトに応じてサクセスウエイトを搭載するなど性能調整を実施。これにより、特定のマシンによるワンサイドゲームが防止されている。