この記事をまとめると
■あまりの人気で深刻な納期遅延や新規受注停止が相次いでいるランドクルーザーシリーズ
■ランクルが注目されているのは「転売ヤー」の存在が大きく影響している
■計り知れないほどの「ランクル愛」がないとランクルに乗り続けるのは難しい
転売対策に四苦八苦のランクルシリーズ
あまりの人気の高さから、深刻な納期遅延や新規受注停止が相次いでいるランドクルーザーシリーズ。調べてみると、本稿執筆時点では70と300シリーズは新規受注停止中なのだが、250に関しては「各店舗へ問い合わせ」となっている。
この点を事情通に聞いてみると、「話を聞いた時点(6月上旬)でも、ランドクルーザー250で販売可能な車種を持っているディーラーが多数あるようです。特別仕様車のZXファーストエディションはまさに速攻で完売となったようです。さらに、ディーゼル仕様もすでに初期配車枠はすべて売れてしまっているケースがほとんどのようですが、ガソリン仕様が若干残っていると聞いております」とのことであった。
ランドクルーザーがここまで注目されるのは、コアなファンがいることは当然なのだが、さらに納車後すぐに転売して利益を得ようとする「転売ヤー」の存在も大きい。2023年6月の現行アルファード&ヴェルファイアのデビュー以来、とくに転売ヤーのターゲットになりやすいトヨタの高額人気新型車は、転売ヤーへの販売を抑止しようと苦慮が続いている。
ランドクルーザー70や250では、販売、つまり売り切りをしてしまうと納車直後の転売が防ぎきれないとして、リースのみで車両を引き渡すディーラーが出てきた。リースとなると、ファイナンス会社名義の車両を貸与して乗ってもらうことになるので、転売はできない。本来、新車販売を生業とする新車ディーラーが「新車を売らない」という行動に出たのである。リースというとトヨタでは個人向けカーリースとして「KINTO」があるが、ディーラーがKINTOの利用を促すのではなく、ディーラーが仲介してKINTOとは異なるリースプランを契約してもらうことになっているようである。
あるディーラーでは3年プランとなっていた。「リースアップ時には買い取ってご自分名義で乗り続けることができます。KINTOは返却がマストなので、この点がセールスポイントとなります」とのことであった。別のディーラーでは1年から5年で好きなプランを選ぶことができた。そしてこちらもリースアップ時には車両の買い取りが可能となっていたのだが……。