この記事をまとめると
■ハイラックスやトライトンなど、タイでは多くの日本車のピックアップが生産されている
■いすゞD-MAXやそのOEMであるマツダBT-50などもよく見かける
■これまでにも日本メーカーは数多くのピックアップを生産してリリースしてきた
じつはピックアップのラインアップが豊富な日本車
トヨタ・ハイラックスに続いて三菱トライトンも日本市場に復活を果たしたことで、再びピックアップトラックに注目が集まりつつある昨今。ただし、この2車種はどちらも日本製ではなく、タイで作られていることを知っている人も多いだろう。
そう、タイはピックアップの人気が高い国のひとつ。農村部だけでなく、首都バンコクでも見かけるし、荷台の左右にベンチを取り付けて乗合タクシー「ソンテウ」としても使われている。日本だけでなく中東やアフリカなどへの輸出も行われており、アジアのピックアップ生産拠点としての顔も持つ。
なので現地では、トヨタや三菱以外にも、いろいろな和製ブランドのピックアップを目にする。なかでも目にする機会が多いのは、日本では乗用車やSUVの販売から撤退したいすゞのD-Maxだ。
かつてダットラの愛称で親しまれた日産のナバラ、プロシードを売っていた経験があるマツダのBT-50もある。現行BT-50はいすゞからOEM供給を受けているが、ちゃんと魂動デザインになっているのがさすがだ。
ピックアップといえば北米市場も忘れてはいけない。こちらではハイラックスなどよりさらに大柄なフルサイズが主力で、アメリカのベストセラーカーでもあるフォードFシリーズをはじめとする地元勢が根強い支持を受けているものの、日本車もトヨタ・タンドラ、日産タイタンなどで対抗している。
特筆すべきはホンダで、ピックアップとしては珍しい横置きパワートレインのリッジラインを開発し送り込んでいる。軽自動車のマイティボーイが印象的だったスズキは、日産フロンティア(ナバラと同型車)のOEMであるイクエーターをラインアップしていたことがある。
さらにスバルも北米向けにピックアップを作っていた。水平対向エンジンと左右対称AWDが現地で支持されていたことを受けて、レオーネをベースとしたブラット、レガシィ・アウトバックを基本としたバハを展開していたのだ。
つまり、現存する日本の自動車ブランドの多くは、ピックアップを販売していたことになる。いまの我が国では脇役扱いかもしれないが、グローバルで見ればピックアップが大切なボディタイプだということがわかる。