この記事をまとめると
■ホンダが軽商用EV「N-VAN e:」を発表した
■N-VAN e:のライバルとなるのが三菱ミニキャブEVだ
■軽商用EVのライバルであるN-VAN e:とミニキャブEVを比べた
ホンダN-VAN e:登場で軽商用車バトル勃発
ホンダは2050年までに全社的にカーボンニュートラルを実現することを目指している。そこに向けた商品ロードマップとして、お膝元である日本向けのラインアップとしては2030年までには100%電動化(ハイブリッドカーを含む)とし、2040年には100%電気自動車(EV)にすることを掲げている。
そんな日本向けEVの第一弾として発表されたのが、軽商用EV「N-VAN e:」となっている。発売予定は2024年10月10日。2025年には軽乗用EVのローンチもアナウンスされている。軽自動車については、マイルドハイブリッドさえも採用してこなかったホンダだが、一気に電動化・ゼロエミッション化を推進しそうな勢いを感じさせる。
さて、あらためてN-VAN e:のプロフィールを簡単に整理してみよう。
助手席側ピラーレスの大開口という特徴をもつボディ自体はガソリンエンジン車のN-VANと同様だが、ナンバープレートがセンターに異動していることからわかるように、フロントバンパーは専用デザイン。EVの使い勝手に影響する充電口はリサイクル素材で作られたというフロントグリルにインストールされている。
モーターはフロントベイに置かれ、当然のようにフロント駆動となる。29.6kWhという軽自動車としては最大級に大きな電力量をもつリチウムイオンバッテリーはキャビンの床下に置かれているが、荷室高など商用車としてのスペックには悪影響を及ぼしていないというのは“はたらくクルマ”としてのこだわりのひとつ。また、これほど余裕のバッテリーを積むことで一充電航続距離は245km(WLTCモード)とライバルを凌駕するものとなっている。
そう、N-VAN e:にはキャッチアップすべきライバルモデルが存在している。それが三菱ミニキャブEVだ。旧名のミニキャブミーブとしてデビューしたのは2011年と大先輩的なのだ。配達業務を中心にミニキャブEV(ミーブ)が活躍する姿を目にすることは多い。
こちらも、もともとはガソリンエンジン車として販売されていたミニキャブのボディをベースとしているが、後輪を駆動するモーターはリヤアクスルに置かれるなど、エンジン車とは異なるパワートレインのレイアウトとなっている。デビュー当初は最大でも16kWhのバッテリーだったが、最新モデルのミニキャブEVでは総電力量20kWhのリチウムイオン電池を搭載するなど最新テクノロジーによってアップデートされるなど、決して昔のスペックのまま作られているわけではない。
そんな軽商用EVのライバルであるN-VAN e:とミニキャブEVを比べてみよう。N-VAN e:にはホビーユース向けのFUNグレードやひとり乗りグレードなども用意されているが、ここではガチンコのライバルとなるビジネス向けの2シーター、4シーターで比較してみたい。