この記事をまとめると
■スズキのインド製コンパクトSUV「フロンクス」の日本導入が噂されている
■最近ではホンダもインド生産のWR-Vを完成車輸入して大ヒットを記録した
■今後はインドからの完成車を導入する流れが増えるかもしれない
ジムニー5ドアと同時デビューしたスズキ・フロンクス
最近、ネット上ではスズキが新型コンパクトクロスオーバーモデルを日本で近々デビューさせるといった記事が目立っていた。その新型車とは、スズキがインドの子会社マルチスズキで生産し現地で販売している「フロンクス」というモデルだ。
2023年1月にインドのデリー近郊で開催された、「オートエキスポ2023(通称デリーオートエキスポ)」において、スズキは「ジムニー5ドア」をワールドプレミアさせて世界に衝撃が走ったが、このときにフロンクスも発表されている。
インド仕様車のスペックは全長3995×全幅1765×全高1550mm。1リッターターボと1.2リッターエンジンをラインアップし、1リッターターボはマイルドハイブリッド仕様となっている。1リッターターボには5速MTと6速AT、1.2リッターには5速MTとAGS(オートマニュアルシフト)が組み合わされる。ちなみにインドではトヨタブランドでも「アーバンクルーザー」という姉妹車がラインアップされている。
仮にフロンクスが情報通りに日本国内で発売になれば、インドからの完成車を輸入して販売することになるだろう。「インド製」というと、最近ではホンダがWR-Vをインドから完成車輸入して販売しており、ヒットモデルと呼ぶにふさわしい売れゆきとなっている。
タイミングからいけば、もちろんスズキがWR-Vの好調ぶりをみてフロンクスの国内導入を決めたということはないが、時をほぼ同じくしてホンダとスズキがインドからコンパクトクロスオーバーSUVを輸入して販売しようと考えていたとしたらじつに興味深い。
フロンクスのデリー地区での最廉価モデル(1リッター)の価格は75万1500ルピー(約141万円)、一方のWR-Vの現地仕様となるエレベイトの最廉価モデルの価格は119万9000ルピー(約225万円)となっている。単純に価格だけを抜き出しているので、装備内容などは比較していないが、フロンクスはエレベイトよりもかなり割安な価格設定となっていることに驚かされる。
ただ、インドにおいてフロンクスは、スズキのプレミアムモデルを扱う上級店の「ネクサ」扱いとなるモデルなので、けっして安っぽさが先行しているモデルではない。日本国内におけるWR-Vの廉価モデルでは支払総額で250万円もしないにもかかわらず、ホンダセンシングやオートエアコンなどの装備も充実しており、想定外に売れているとのこと。
フロンクスのインド国内での価格設定を見る限り、もしも日本国内で発売されるとすれば、それはWR-V以上にインパクトのあるモデルになりそうである。