見た目とサイズだけで選んじゃダメ! 自動車カスタムの一丁目一番地「アルミホイール」は知れば知るほど奥深い世界だった

この記事をまとめると

■アルミホイールには構造や製造方法が存在する

■ホイールの用途やデザインによって製造プロセスが異なる

■クルマ毎に履けるサイズなどに違いがあるので専門店に相談するのがオススメだ

ひと口にホイールといっても種類が山ほどある!

 ドレスアップの第一歩として誰もが注目しているアルミホイール。

 デザインやカラー、サイズ……などとさまざまなファクターがあるため、アフターパーツのホイールを選ぶときは知識も必要で、楽しみもあるが大変さもある。

 そこで今回は、その一番ベーシックな部分、製造方法と構造の違いについておさらいしておこう。

■製造方法

・鋳造

 アルミ合金を熱で溶かして、金型(=鋳型)に流し込んで成型する方法。大量生産に向いていて、コストが低く抑えられるのがメリット。さらにデザインの自由度が高いのも特徴で、アルミホイールではもっともメジャーな製造方法。

・鍛造

 素材となるアルミ合金の塊(ビレット)を加熱し、巨大なプレス機で大きな圧力をかけながら成型する製造方法。プレスされることで、金属組織が分子レベルで高密度に均一化さ、高い強度が得られる。強度アップした分、ホイールを薄くできるので、軽量・高剛性のホイールを作ることが可能。

 その反面、製造コストが高く、大量生産には不向き。価格もどうしても高くなる。

・フローフォーミング

 鋳造と鍛造のいいとこ取りをしたような製造方法。鋳造で作ったホイールのリム部を圧延して成形させる製法で、鋳造のデザインの自由度と、鍛造のような軽さと高強度を可能にする。

■ホイールの構造

・1ピース

 ホイールはタイヤと接する外縁=リム部と、円形のデザイン面=ディスクで構成されていて、このリムとディスクが一体成形されている構造を「1ピース」と呼ぶ。

 精度や剛性が高く、軽量化にも適している。

 デザイン的にはシンプルなものが多く、コスト面でも有利。

・2ピース

 ディスクとリムを別々で製造し、溶接やボルトで固定するタイプ。別々に作るので、ディスクのデザイン自由度が高く、1mm単位でインセットを設定できるのが大きな強味。

 デザインとサイズ、コストのバランスがいいタイプ。

・3ピース

 ディスク、アウターリム、インナーリムの3つのパーツを組み合わせて作るホイール。

 カラーリングや素材の自由度が高く、リムを傷つけてしまったときは、傷ついたリムだけ交換できるタイプもある。インセットなど細かな設定もできるが、製造に手間がかかるので、コストがデメリット。

 このほか、スポーク、メッシュ、ディッシュ、フィンなどデザインの違いや、カラーリングの違い、サイズ、ボルト数、P.C.D.ナット形状なども大事な要素。

 デザインと価格だけでなく、製造方法、構造なども調べた上で、フィッティングに関しては専門店のアドバイスも受けながら、お気に入りのホイールを選ぶようにしよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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