1500万円がバーゲンセールにしか思えない! 個人ユースもアリな6人乗りレクサスLMの詳細リポート

この記事をまとめると

■レクサスのフラッグシップMPV「LM」に6人乗り仕様が登場した

■6人乗り仕様ならではの専用装備を数多く搭載している

■アルファード/ヴェルファイアと比較してボディ剛性などが向上している

待望の6人乗りモデル登場!

 レクサスのフラッグシップMPVであるLMに、待望の6座仕様が追加され、5月9日に発売となった。昨年10月の発表の時点で3列シートモデルの存在はすでにアナウンスされていたが、当時の半導体不足などの影響も鑑みて、VIP需要の高い4座仕様が先行して販売されており、およそ半年遅れの登場となったのだ。

 今回追加された6座仕様は「version L」と名付けられ(4座仕様は「EXECUTIVE」)、直列4気筒2.4リッターターボエンジンに6速ATと前後モーターを組み合わせてシステム最高出力371馬力を発生するパワートレインは共通。エクステリアのデザインも差別化が図られている部分はなく、差異はインテリアに集約されている。

 とはいえ乗車定員が変わるぶん、足まわりの味付けには若干の違いをもたせており、どちらのモデルを選んでも乗員すべてが快適な移動空間を味わえるというコンセプトは不変となっている点はさすがレクサスといったところ。

 インテリアで大きく異なるのは、当然ながら3列目シートが備わって+2名の6人乗車が可能になった点と、前席後方に鎮座していた48インチディスプレイが備わるパーテーションが備わらないという点だ。

 シートのレイアウトなどは同じプラットフォームを使用するアルファード/ヴェルファイアのエグゼクティブラウンジに近いものとなっているが、エアコン/シートポジション/サンシェード/照明などを統合制御して乗員に最適な車内環境を提供してくれる「リアクライメイトコンシェルジュ」が備わり、2列目シートには最高級のLアニン本革のシート表皮がおごられる。

 さらに、人間工学に基づいて乗り心地を追求したと言われるシートは、骨盤まわりをしっかり支えて座面の耐圧分散や体幹の保持をしつつも肩まわりにゆとりをもたせることで、ミニバン独自の横揺れ時の不快感を発生しにくくするほか、ドアトリムからインパネに渡って直線的な意匠を加えることで、潜在的に車酔いの発生をしにくくするなど、細かな気遣いが盛り込まれている。

 価格は1500万円とアルファード/ヴェルファイアの2倍近いものとなっているが、じつはアルヴェルに対してLMはスポット溶接の打点数やフロアまわりの接着剤の使用量などを増やして基本的なボディ剛性を大きく高めているほか、前後にブレース類を追加。

 さらに、足まわりには周波数感応バルブ付きのアダプティブ・バリアブル・サスペンションを採用し、前後の駆動力配分を自在に変えることができるダイレクト4を採用。それを活用した乗り心地のチューニングまで施されていることを考えれば、むしろバーゲンセールといっても過言ではないレベルなのだ。

 そして、快適な乗り心地にはクルマが思いどおりに動かなければならないという考え方から、ドライバビリティもかなり高いレベルになっている。後席にVIPを乗せるためだけでなく、休日には家族でレジャーに供することも可能という、マルチに使えるフラッグシップMPVに仕上がっている点も見逃せないポイントといえるだろう。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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