残溝と空気圧だけじゃチェックは不十分! クルマのタイヤに現れる交換サイン5つ

この記事をまとめると

■タイヤの寿命は残りの溝で判断されることが多い

■瘤が発生したりひび割れが発生したらすぐ交換したほうがいいとされている

■万が一バーストなどを起こしたらその場に止まらずに非常駐車帯などへの避難が最優先だ

定期的にタイヤはチェックしよう

 クルマの定期交換部品のなかでもタイヤはけっこう高価な部類。少しでも長持ちさせたい気もちは山々だが、タイヤは安全に直結している部品なので、タイヤをケチると命を削ることにもなりかねない。

 通常、タイヤは残り溝の深さで寿命を判別することが多いが、溝が十分残っていても、大きなトラブルの予兆となる症状がいくつかある。それを確認しておこう。

・ピンチカット

 ピンチカットとは、タイヤ側面、サイドウォールの一部にできる瘤、盛り上がったような変形のこと。

 案外、よく見かける症状だが、放って置くとバーストの危険が高ま流。発見したら即タイヤ交換するのが基本。

 ピッチカットの原因は、縁石にタイヤを擦ったときや、縁石に強く乗り上げた際の衝撃。これらのショックでタイヤ内部のカーカスコードが切れてしまい、サイドウォールに瘤ができるというわけだ。

 ほかにも、空気圧の不足や過積載、タイヤの製品不良(初期不良)でも起きることがある。残念ながら、この症状は修理は不可能なので、タイヤ交換が必須。

・セパレーション

 ベルト部及びトレッド部が剥離する現象(トレッド剥離)。空気圧不足や過負荷によってタイヤのたわみが大きくなって発熱し、その熱でゴムが変質するのが原因。

 トレッド部、サイドウォール部の外傷(ひび割れや穴)から水分が入り、ベルトが錆たり、カーカスが加水分解してゴムと剥離することもある。セパレーションを起こしたタイヤも要交換。

・チェッキング

 サイド部のゴム表面に発生する無数の細かいひび割れのこと。

 経年劣化や空気圧不足が主な原因。紫外線、オゾン、悪影響のあるタイヤワックス等による化学的なゴムの劣化の可能性も。

・テアー(グルーブクラック)

 テアーとは溝部の亀裂のこと。空気圧不足(空気圧過多)が原因。気がつかず放置し、長時間そのまま走行しているとゴム割れが成長し、全周にわたる場合もある。

・チッピング

 トレッド部分が、チップ状にゴム剥離やゴム欠け起こす現象のこと。

 砂利道などの悪路での走行や過積載などが主な原因。経年劣化によるゴムの硬化も疑われる。

 これらのトラブルは、空気圧の適正と定期的な点検でかなり防げるので、月に一度は空気圧の調整と目視点検を欠かさずに。

 そして万が一、バーストなどを起こしたときも、道路上で止まるようなことはせず、必ず路肩や非常駐車帯など安全な場所まで移動すること。

 タイヤが1本バースト(パンク)したとしても、短距離なら徐行しながら動き続けることができるので、必ず安全なところまでクルマを動かし、それからJAFなどに救援を頼み、高速道路なら道路緊急ダイヤル(#9910)にも一報を入れるようにしよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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