ランチアにMGにオペルって昔は普通に日本でもメジャーだったけど……「ドコいった?」なブランドのいま

この記事をまとめると

■日本から撤退した輸入車メーカーたちの現在を調べた

■ライトウエイトスポーツカーで有名だったMGは中国資本のエコカーメーカーに

■ランチアとオペルは同じグループ企業傘下のブランドになっていた

かつては日本で普通に見かけたメーカーたち

 そういえば、あの自動車メーカー、最近どうなっているのだろう? そんなことを思うことがあるかもしれない。または、新型車のワールドプレミアがネットニュースで流れて、「あれ、あのブランドってまだ続いていたんだ!?」と思う瞬間があるかもしれない。

 たとえば、MG。手軽な価格で購入できる英国車として、日本でも根強い人気があった。ミゼットやBなど、中古車市場でいまでも流通している小型オープンカーというイメージがある。

 そんなMGが、タイのバンコクモーターショーで大きな展示ブースを設けて、さまざまなモデルを披露していた。

 これは、中国地場大手の上海汽車が展開するMGブランドである。 今回の出展では、2023年からタイ市場で一気に需要が伸び始めたEV(電気自動車)がメインとなったほか、プラグインハイブリッド車のラインアップもある。往年のMGブランドと比べると、すっかり様変わりだ。

 正直なところ、中国本土で上海汽車がMGブランドを買収したあと、中国車にMGバッジがついたことに、個人的には違和感があった。古きよきMGを知っていたからこそ、そう感じた。だが、いまや中国自動車メーカーの技術力やマーケティング力は、とくに地場大手の場合、欧米や日本メーカーと比べて遜色ないレベルまで成長した。

 MGブランドが存続し、さらに新たなるブランドイメージを構築している現状を見ながら、自動車産業界の大きな時代変化を実感する。

 日本市場向けには当面、新MGブランドが上陸することは難しいだろう。ただし、さらに時代が変化し、上海汽車のグローバル展開のなかに日本市場が組み込まれた際には、若い世代にとってMGは目新しいブランドとして定着するかもしれない。

 その他、ちょっと懐かしいブランドとしては、ランチアとオペルの名前を挙げたい。

 イタリアのカロッツェリア、ベルトーネ社のデザイナーだったマルチェロ・ガンディー二さんが先日亡くなった際、ランボルギーニ「カウンタック」などを並んで、ガンディー二さんが手がけた名車のなかで、ランチア「ストラトス」がネットニュースで紹介されることがあった。

 ストラトスの時代を経て、ランチアは「ベータ」や「デルタ」、そして「イプシロン」など、イタリアン上級ブランドとして根強い人気を得たこともあった。

 また、オペルについては、日本再上陸の告知があったものの、コロナ禍を経て話が自然消滅してしまった印象がある。

 これらランチアとオペルは現在、ステランティスが手がける多種多様なブランドの一部である。同社では、国や地域の社会状況や市場性に合わせて、旧FCA(フィアット・クライスラー)と旧PSA(プジョー・シトロエン)の各ブランドを使った事業展開を進めているところだ。

 時代が変わると、自動車のブランドのあり方も変わるのだ。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
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動物たちとのふれあい
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聖徳太子(多くの人の声を同時にしっかり聞くという伝説があるので)

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