入社1カ月でジムカーナ参戦&リポートって無茶すぎません!? ……と思ったらTMSCが主催のジムカーナが新人にもフレンドリーで面白すぎた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■新人編集部員がTMSC富士ジムカーナ「GRクラス」へと参加した

■GRクラスは主催側が用意するレンタカーで気軽に参加できるジムカーナの競技クラスだ

■GRヤリスでのジムカーナを存分に楽しんで、クラス2位の結果をとることができた

入社早々に「ジムカーナ参戦!」……って超スパルタ編集部か!?

 ある日の編集企画会議でのことである。4月に入社して1カ月と経ってない入社したての僕は、右も左も分からない状態で編集会議へ参加していた。そんななかで、編集長から「編集部あてにジムカーナ大会への参加の誘いが来ています」との報告があった。するとすぐさま「立花は大学の自動車部でジムカーナを走ってたんだよな? 行ってこいよ」と局長。

 もちろん、僕は引き受けさせてもらうことにしたが、内心でははじめて自分で取材をして記事を書かせてをもらえることへの嬉しさと、そんなことがしっかり自分につとまるのかという不安が混ざり合って複雑な気もちだった。

 こうして僕が参加させてもらうことになったのは、トヨタ・モータースポーツ・クラブ(以下:TMSC)が主催するジムカーナシリーズだ。このTMSCというクラブの起源は、なんと1963年の「第1回日本グランプリレース大会」まで遡る。ちなみにこのレースでは、各クラスで計3台のトヨタ車が優勝を果たした。

 その翌年の1964年、そのトヨタ車をドライブしていたレーシングドライバーたちが主体となり、TMSCを発足させた。そしてなんと、第1号のJAF公認クラブとなったのだ。

 現在はトヨタ車のファンであることを参加条件に、トヨタ自動車公認クラブとしてTMSCは運営されている。毎年、ジムカーナはもちろんエコラン耐久やゴーカート、レースやラリーなど、幅広いジャンルのモータースポーツを主催し、クラブ員が参加もしているそう。

 そんな由緒あるクラブの主催ジムカーナで、今回僕が参加するのは「TMSC富士ジムカーナシリーズ」というシリーズの第2戦。そのなかの「GRクラス」だ。

「TMSC富士ジムカーナシリーズ」というのは、いわゆる地方選とは別にTMSCが独自に開催しているジムカーナのシリーズ。年間4回の大会が行われ、シリーズを通して優秀な成績を収めたドライバーは表彰される。

 そして、「GRクラス」というのはご存じ、トヨタの「ガズーレーシング」が主体となって進めている新しいクラスだ。

 これは、モータースポーツの敷居を下げ、モータースポーツ人口を増やすのを目的としたクラス。トヨタ車であれば愛車でも参加可能だが、毎回の大会で複数台GRのクルマが用意され、好きな1台をレンタルして出場できる。今回の大会ではGRヤリスのRZとRS、またGRコペンがレンタル用に用意されていた。

 つまり、クルマがなかったとしても、普通自動車免許とヘルメット&グローブがあればジムカーナを楽しめる、初心者に最適なクラスとなっているのだ。気になる参加費は、レンタル車両を使用する場合が1万円、愛車で参加する場合は6000円となっている。また、JAF競技ライセンスはなくても参加可能だ。ちなみに万が一クラッシュしたら修理費は実費で請求がくる……とのことらしい。

 こうして迎えた本番当日。6時の開場にあわせて、その15分後くらいに会場入りした。はじめての富士スピードウェイは幸いなことに気もちいいほどの快晴だった。雨男の僕には珍しいことだ。きっとこれは「お守り役」に来てくれる井上センパイのおかげだろう(笑)。

 まずはひとりで受付を済ませ、出走ゼッケンを受け取る。その次は競技車検の時間なのだが、僕の参加するGRクラスの車両は主催側が用意するため、その間コースを確認する。今回のコースレイアウトはターンをしないといけない箇所が多く、覚えるのが大変だ。

 その後まもなく、コースの確認をする「完熟歩行」が始まった。

 ジムカーナでは、コースを覚えるのと実際のコース上でのパイロンでの配置をつかむため、クルマで走行する前に歩いてコースを確認する必要がある。それが「完熟歩行」だ。

 実際に歩いてみると、通りたいライン上にうまく規制パイロンが置いてあり、コース攻略の難易度を上げている。そして、ターンが何度もあるため、右まわりか左まわりなのかなかなかにややこしい。本当はこのときにコースを走る戦略を立てるのだが、僕の場合は覚えるので精一杯だ……。

 そしてドライバーズブリーフィングを終えると、実際にクルマでコースを走ってみる「慣熟走行」の時間。こうしてはじめて本日の相棒と対面する。

 今回僕が乗るのは、モータースポーツの世界ではお馴染みのトヨタ GRヤリス RZ ハイパフォーマンスだ。小柄なボディから272馬力を発揮し、それを4輪を使って地面へと伝える高性能マシンだ。この慣熟走行のわずかな時間で、僕はこのモンスターとお友達にならないといけない。

 慣熟走行は当日の記録になる走行ではないのだが、この時点で僕はプレッシャーを感じていた。ちゃんと記事に出来るような走りをしなければいけないし、乗るのは272馬力のクルマだ。僕に扱いきれるのだろうか……。


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